もう一度キミと青春を。

初デート


放課後、蒼空と2人で電車に乗り、揺られ続けること30分。


都会ではないけど田舎でもない、静かな町並みが見えてきた。


「ここで降りて、徒歩で10分ぐらい行けばショッピングモールがあるんだよね。そこが俺らの住んでるところから1番近い遊び場」


遠いっしょ?と笑う。


「遠いけど、なんかいいね」


一緒に電車に乗っている時間も楽しめるから。


学校のこと、勉強のこと、将来の夢、いろんなことを話した。


蒼空の夢は保育士さん。


幼い子供の未来を明るく照らす保育士になりたいと、妙に大人な顔で語ってくれた。


私は、蒼空みたいに夢を語ることはできなかった。


「腹減ったなー。何食べたい?一応なんでもあると思う」


駅の改札を出て、車通りが多い道を真っ直ぐ歩く。


久しぶりに二車線の道路を見た気がする。


「蒼空のオススメのお店行こう?」


「おっけー、任せて!」
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