僕が恋したのは、恋をしない人でした

新たなる出会い

ガタンッゴトンッ、ガタンゴトンッー

カーン、カーン、カーンー

ザワザワザワッ、ザワザワッー

この町には多くの音があふれてる。

電車の音、踏切の音、木々の揺れる音、風が通りすぎる音。

僕はそんなこの町が大好きだ。

「お兄さん、おはようー!」

黄色い通学帽をかぶった小学生1年生ぐらいの女の子に声をかけられる。

「はーい、おはよう!!
 今日も気をつけて学校行ってくるんだぞ!」

こっちも負けじと挨拶を返した。

今は毎朝恒例の、小学生の子どもたちの通学を見守る時間。目の前を元気に子どもたちが歩いていく。

僕も昔、同じように通い歩いたこの道を、今はずっと年下の子どもたちが歩いていく。
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