ムラマサ! ~道端でちょっとめんどくさいイケメンを拾いました~
 そうだ。
 ちょっと前、うちの社報にも出てたよ。

 うちの社長と対談してたろ」

「社報……」
と全員が宙を見る。

「自分が出てるときしか見ないです」
と小林が言い、

「クロスワードしか見ないです」
と由良が言い、

「占いしか見ないです」
と美都が言う。

「……読んでやれ、社報」

 ちょっと待ってろ、と脇田は立ち上がり、社報を取ってくる。

「この男だ。
 小久保村正」

 ページを開くやいなや、美都が身を乗り出した。

「やだっ。
 すごいイケメンッ。

 私、今度から、社報見ますねっ」

「……いや、いつもイケメンのっけてるわけじゃないからな」

 そう言いながら、肝心のあやめの方を見ると、彼女は何故か、ぼーっとその社報を眺めていた。

 いやまあ、いつもわりと、ぼーっとしてはいるのだが……。





< 110 / 372 >

この作品をシェア

pagetop