ムラマサ! ~道端でちょっとめんどくさいイケメンを拾いました~
「ワキタとか、ユラとかはいなかったのか」

「いませんでしたねえ。
 まあ、珈琲もアイロンもない世界でしたから」

 もちろん、ヒマワリの種もないだろう。

「でも、ムラマサはいたんだな」

 村正がちょっと嬉しそうに笑うので、

「……だから、機械の方ですよ」
と少し照れてあやめは言った。

「いいじゃないか。
 世界は滅びて。

 砂漠と廃墟の世界に俺とお前の二人だけ」

 いや、だから、あなたも滅びてるんですってば、と思ったが。

 村正は、
「なんだろう。
 ちょっとときめくな。

 俺も中二病だったのか?」
と言い出す。

「いや、私も中二病じゃないですよ……」
とあやめは言って、急いで茶粥を食べた。

 早くこの二人だけの和室から出たくなったからだ。
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