ムラマサ! ~道端でちょっとめんどくさいイケメンを拾いました~
この世界に俺とあやめだけ、か。
いい大人がなに思春期の男子高校生みたいな妄想してるんだろうな。
村正の頭の中では、廃墟ばかりの砂漠の中に座り込んでいるあやめは、オーガンジーようなのふわふわっとしたドレスを着ていた。
くすんだピンクのドレスが砂漠の色と似ているようで似ていない。
あやめの飾り気のない綺麗な顔がより引き立って見えた。
うーん。
俺はこいつのことが気になるのだろうか?
夜。
裏の森を眺めながら、広いバルコニーで夕食をとっているときも、まだ村正は悩んでいた。
横にいるあやめは、ふっくらよく炊けているご飯を食べながら呟く。
「窓のないお風呂やトイレの換気扇って、24時間つけっぱなしにしてくださいとか書いてあるじゃないですか。
あれ、気になるんですよね」
何故、今、唐突にそんな話になった。
無言で森の方を見ていたはずだが。
知性を感じる澄んだ瞳で――。