希望の光~たとえあなたが消えても愛し続ける~
数秒見つめ合った後、ゆっくりと京夏さんのパジャマのボタンを外した。


「ひどい……」


ショックだった。
身体中にあるアザを見たら、自然に涙が溢れ出してきた。


「こんなになるまで……どうして……どうしてこんなひどいことができるんだ……」


「……流星君。お願い、何もかも忘れさせて……」


「ああ、全部忘れさせてやる」


俺は、優しく肌に触れ、京夏さんの体の全てを知った。


京夏さんは、今、何を思っているのか?
俺に抱かれて、心から満足しているのか?


怖くて、その答えを聞くことはできない。
それでも京夏さんが望むなら、今だけは、精一杯この人を愛したいと思った。


「流星君、ありがとう」


「京夏さん……」


「すごく幸せだったよ。流星君みたいな素敵な人に抱かれて」


「俺も幸せだ。ずっとこのまま一緒にいたい」


「……私も……流星君といたい。幸せに……なりたい」


「旦那に会うよ。ちゃんと話す。感情的にならないように、どう話せばいいのか考えるから。前に言った弁護士にも相談しよう。絶対、俺、京夏さんを幸せにするから」


そして、俺達は、もう一度、キスをした。
< 15 / 22 >

この作品をシェア

pagetop