希望の光~たとえあなたが消えても愛し続ける~
京夏さんへの想いを抱えたまま、俺もいつしか東京に出て働くようになった。
田舎じゃ気づかなかったけど、どうやら俺は「イケメン」なんだそうだ。周りの女性達にそう言われることに最初はかなり違和感を感じたけど、今はモデルの仕事も入ってきて、少しずつ、ほんの少しずつ、自分の居場所を見つけることができていた。


こんな大人になってもまだ自分探しの途中なんて、正直情けなかったけど、それでも前を向いて進みたいって思ってる。
いつまでもバカな自分のままじゃ、京夏さんに申し訳ないから……


冷たい風が吹く、11月の夜。
モデル事務所から、「知り合いだという女性が流星に連絡を取りたいらしい」と言われた。
なぜだかわからないけど、妙に胸騒ぎがして、その人のスマホの番号にかけてみた。


『……突然、ごめんね』


電話の向こうの声は震えていた。


「もしかして京夏さん?」


『……うん』
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