俺に夢中になれよ~純情秘書は溺甘副社長の独占欲を拒めない
【永遠に拒めない求愛】
3人の生活は、あっという間に年月が過ぎて行った。
ハイハイをし、あっという間に歩き出す。
成長していくのが、嬉しくもあり、寂しさも感じた。

ある土曜日に、柊弥さんは、和弥さんと家でリモート会議をしていた。

「打ち合わせ終わりましたか?」
「あぁ。スミスさんの事業体に、新たに、ライフスタイルを充実させて、楽しみながら過ごせる分野を考えたいと、和弥の彼女がね」
「和弥さんの彼女?」
和弥さんに、彼女が出来たんだ!

「話を聞いた時は、騙されてるのかと思ったけど、今日話したら、凄くしっかり者で熱意のある彼女でさ。あの分だと、尻に敷かれるな、和弥」
「和弥さんには、丁度いいかもしれませんね」
「容姿端麗って言葉が似合う人だったなぁ」

ふーん。柊弥さんがそこまで言う女性・・・
珍しく女性を褒める言葉を聞いて、モヤッとして、嫉妬する。
「何?もしかして、嫉妬した?」
「嫉妬なんてしません!」

目を合わさず、夕食の準備をしていると、柊弥さんが近寄って来た。
「グラマーだったよ、その彼女」

わざと私の耳元で囁く。
「どうせ私はグラマーではありませんから」
柊弥さんを見ること無く、料理の支度を続けた。

「やっぱり、妬いたんだろ?」
心の思いを口に出されて、ふんっ!と、顔を背けて拗ねた。

「拗ねるなよ・・・そもそも比べるのが間違ってる。元モデルだし、アメリカ人だからね」
「モデルさん・・・ですか?」
「あぁ、嫉妬は可愛くて嬉しいけど・・・俺は、花純の体しか興味無いよ」
「柊弥さん・・・」
2人が見つめ合って、キスをしようとすると、お腹を空かせたのか、友弥がぐずりだした。

「ママが取られるが嫌なのか?言っておくが、ママはパパのものだぞ」
柊弥さんが、2人の愛する息子、友弥を抱きかかえてあやしている。
副社長としての柊弥さんも素敵だけど、パパとしての柊弥さんはもっと素敵だ。

「さぁ、ご飯出来ましたよ」
休みの日は、友弥にご飯を食べさせるのもお風呂に入るのも、柊弥さんがしてくれる。
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