俺に夢中になれよ~純情秘書は溺甘副社長の独占欲を拒めない
【俺の恋敵、双子の弟の帰国~柊弥】
俺には弟がいる。
名前は和弥。双子だ。
和弥は、入社後直ぐに、ニューヨーク支社に配属され、今は専務として、陣頭指揮している。
顔、声、容姿が似ているが、俺と違うところは、いつも笑顔で話し方も柔らかく、誰にでも優しい。

弟に全く悪気は無いのだが・・・
学生の時から、俺が付き合った彼女は、そのうち、
「和弥君に出会ったら、優しくされる方がドキドキして、好きになっちゃった」
同じ容姿を持ちながら、優しい弟に気移りして、俺から離れていった。

社会人になってからも、和弥が帰国して一緒に過ごすと、2人を比べて、
「淡々と話すのがクールでカッコいいと思ったけど、やっぱり優しくされる方がいい」
変わらず、彼女の俺への熱は冷める。

和弥から「僕に付き合って欲しいって言ってたけど、別れたの?」と言われることもあった。
和弥に振り向かないほど、本当の俺を愛してくれる女性。
そんな人が現れることを待つしかないか・・・

もしかして、そんな女性は現れないかも知れない。
近寄って来ても、知らない間に壁を作ってしまい、ここ何年も彼女はいなかった。

そんな中、俺の前に現れた女性、花純。
ひと目見た時から、本能で惹きつけられた唯一の存在。

花純を初めて抱いたあの日・・・
あんなに感情を剥き出しにするほど、自分を抑えきれなくなるなんて・・・思いもしなかった。

余裕がないほど、花純に翻弄される。
今まで考えもしなかった欲求を、俺自身も戸惑うほどに、花純に求めてしまう。
それを受け入れる花純は、どんどん綺麗になっていく。

秘書としての清楚な姿の花純は、ベッドの上では、色気が漂い、乱さずにはいられない。
色白の肌が紅葉し、啼きながら潤む目で見つめられると、胸が打ち抜かれ、高鳴りが止まない。
もっと・・・もっと、花純を俺に染めたい。
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