女子高生と同居することになった!

11話。君が死ななければ私のことが好きでなくても大丈夫

11。君が死ななければ私のことが好きでなくても大丈夫

どうも変な感じがした。 レンはうっかり眠ってしまったが、なぜか変な夢のために目が覚めた。 携帯電話を持って時間を確認してみたら午前3時に近づいていた。 ところで、携帯電話の画面を見ていると、メッセージ一通が届いた。 あかりが送ったメッセージだった。

「ありがとう。でも私はもう耐えられない。さようなら!」

そのメッセージを読んだ瞬間、不吉な感じがした。 レンはすぐにアカリに電話をかけた。 ところが信号は行くのにアカリは電話に出なかった。

「お願いだから受け取って。 お願い!」

電源が切れていなくてよかったが、あかりが電話に出ないかられんは気が引けるようだった。

ところが、しばらくしてアカリの声が聞こえた。

「もしもし。」
「あかり!今どこだ?」
「家だよ。」
「君、本当は今家にいるんじゃないよね?」

耳を傾けてみると、風の音も聞こえ、室内で電話する時には聞こえない音が聞こえた。 あかりは答えずにじっとしていた。

「言ってみろ。今どこだ?。」
「ごめんね。私、死ぬよ。」
「え?私にはパパが家に帰れと言ったと言っておいて嘘をついたんだ。」
「ごめんね…···。」
「今どこにいるのか言って! 私が今すぐそちらに行くから!」
「来ないで。」
「じゃあ、そのまま死ぬの?」

突然、涙ぐんでいたアカリの声が冷たく変わった。

「うん。死ぬよ。 生きて何してるの? いや、生きたくても買えない。 どうせ私が死んでも悲しむ人もいない。」
「知らないくせに馬鹿なこと言うな。 悲しむ人がどうしていないの?」
「……。」
「ここにあるんだよ。 君が死んだら悲しむ人がここにいるんだよ。」
「何だって?」
「ここにいるって!」
「でも、君がどうして?……。」
「知らないから聞くの? 君のこと、君のことが好きだから!」
「私を?」
「そうだね。前からずっと君のことが好きだったんだ。」
「ごめんね。」
「何が悪いの?」
「それなら、その気持ちはもうやめておいて。 私はこの世に必要な存在ではない。 消えなければならない存在だから私はただ···…。」
「馬鹿みたいなこと言わないで!」

レンは大声で言った。 それから続けて話した。

「君がどうしてこの世に必要な存在ではないの? 私には必要なんだよ!」
「え?」
「私には君が必ず必要だと!」

あかりはしばらく返事がなかった。 レンは再び言った。

「今どこにいるのか言ってくれ。」
「……。」
「今どこにいるの? 早く言ってくれ。」

あかりはその時になってようやく答えた。

「学校の近くにあるよ。」
「今すぐ行くから学校前のバス停で会おう。」

レンはアカリの返事を聞かず、電話を切って服を着てすぐ外に出た。 それから出かけると同時にタクシーを呼び出した。

原宿の方は夜も車がたくさん通る方だからか幸いにもタクシーはすぐ来て、レンは10分もかからないうちに学校前のバス停に到着した。 そしてレンはタクシーを降りるや否やバス停を見回した。 そしてアカリがそこで待っているのを見てため息を長くついた。

あかりはれんを見て尋ねた。

「なんで来たの?。」
「知らないから聞くの? 君は本当に···…。」
「気を使わせてごめんね。」
「気にさせるのはいくらでもいいよ。 でも、必ずこうしないといけないの? こんなにかっこよくもなく電話で告白させるべきか?」
「ごめんね。」
「とにかく死ぬな。 私が未来から来た理由は君のせいだから。」
「それが…···本気?」
「偶然来ることになったのではなく、タイムスリップする機会ができて私の意志で来たの。 君に10年前にできなかった告白をするために来たんだ。」
「……。」
「君のことが好きなんだ。」
「本当にそのために来たの?」
「そうだよ。だから絶対に死ぬな。 君が死んだら僕が来た意味がなくなるから。」
「でも私は…···。」

あかりはうつむいて言った。

「私は行くところもないし、友達もいないし…···。」
「私がいるじゃない?」

レンの言葉にあかりはレンを見た。

「そして、行くところがなければうちに行こう。 どうせ私一人で住んでいるから、高校卒業まで何ヶ月だけでも私の家で過ごしてね。」
「私がどうやって?。」
「うちには私一人しかいないから誰も気にしなくていいし…···。」

レンはあかりを見ながら言った。

「部屋も二つあるから。」
「でも…···。」
「私は君が死ななければいい。 死ななければ私のことが好きでなくても大丈夫。 そして、行くところがあれば他のところに行ってもいいよ。 でも、今行くところがないじゃない?」
あかりはひどく寒そうだった。 レンはあかりの両頬を軽く触りながら言った。
「これ見て。 すごく寒いみたいだね。 そして、雨脚もまた太くなっている。 早く行こう。」
「まったく…···…それでいいの?」
「うちなんだってば。 ただ···…君が女で、私が男であることがひっかかるが、それでも君が死ぬよりはましだから。」

あかりは言葉で答える代わりにうなずいた。 それは死なないという答えと同じだった。

レンは再びタクシーを呼び出した。

「こちらにはタクシーが来るのに時間が少しかかるようだね。 タクシーが到着するまで少し座っていよう。」

そして、レンは先日タイムリープしてちょうど10年前に来たときにアカリに会ったバス停の椅子でアカリと一緒に座った。 それからあかりに言った。

「どうか死ぬな。 私の願いだから。」

あかりはれんをちらりと見て言った。

「レン君、今泣いてるの?。」
「君が死ななければ泣くことはない。」
「分かった。死なないよ。」

***
タクシーに乗りながら、あかりとれんは何も言わずにじっとしていた。 アカリとレンは同じ年齢の同級生だが、タクシー運転手や他の人から見ると大人や女子高生に見えるはずだから、余計な誤解を招く必要はなかった。

約10分でタクシーは原宿駅付近に到着した。 そして、タクシーを降りた後、レンはオフィステルの建物を指差しながら言った。

「もうすぐだよ、あそこだよ 。」

あかりはいざ他人の家に入ろうとすると足が重く感じられた。 女の子の家でもなく男の子の家だ。 しかもレンは最初は同級生だが、今は10歳年上の大人の体だ。 楽に感じられるはずがない。

「入ろう。」

エレベーターに乗って12階までついて行ったが、いざレンが自分の家の暗証番号を押してドアを開けながら話すと、アカリは迷った。

「本当に入ってもいいの?」
「どうせ行くところもないじゃない? 君の家だと思って入ってきて。 それとも青少年のための憩いの場だと思ってもいい。」

あかりはぐずぐずしながらレンについて行った。

「入ってこい。汚くはあるんだけど。」
しかし、レンの言葉とは違って、家の中はとてもきれいだった。 あかりは家の中を見回しながら言った。

「全然汚くないんだけど?」
「それならよかったね。 この部屋を使えばいい。」

レンはドアを開けながら言った。 部屋にはベッドが置かれ、壁掛けエアコンもあった。

「ベッドとエアコンは最初からオプションであったんだ。 とにかくここは君の部屋だから気楽に使って。 そして冷蔵庫にあるもの何でも食べてもいいよ。」

アカリはレンが指さす部屋の中をのぞき込みながら尋ねた。

「本当にそうしてもいいの? 私があなたの邪魔にはならない?」
「邪魔だなんて? 全然! 一人でいていつも寂しかったけど、君と一緒に過ごすと人が住む家のように感じられそうでむしろいいんだ。 そして……。」

レンは何かをまた言おうとしてやめた。

「何でもない。 まず、さっき雨に降られたし、寒そうだから温かいシャワーからしてね
レンはそう言って,きれいなタオルを持ってきた。 あかりはタオルを持ってトイレに入った。
タオルはすべすべしていて、洗濯もきれいにしたのかいい香りがした。 トイレ自体もきれいで、レンのきれいな性格を垣間見ることができた。
少し前までは死を考えながら家から出てきたが、お湯でシャワーを浴びているのが実感できなかった。 レンの家の浴室から流れるお湯は冷たいアカリの心も少しでも溶かしてくれるようだった。

-10年後の世界から来たの?

同じ学校に通っていた同級生のレンが10年後の未来から来たとは信じられないことだったが、今この家にアカリを連れてきたレンは間違いない10年後の姿だった。 もしかしたら、アカリに彼が未来でタイムスリップしたという事実を信じさせようと、体は10年後の姿のまま来たのかもしれないという気がした。

あかりは体を拭いて服を着た後、外に出た。 レンはソファに座っていて、アカリに体操着とドライヤーを差し出しながら言った。

「その体操着はまだ一度も着ていないの。 サイズが大きいと思うけど、今すぐ着る服がないからそれでも着て。」

「ありがとう。」

あかりは部屋に入って髪を乾かし、れんからもらった体操着を着た。 そして外に出てレンに聞いた。

「水は冷蔵庫にあるの?」
「うん。冷蔵庫に冷たい水もあるし、台所にぬるま湯もあるよ。」
「さっきは寒かったんだけど、お湯でシャワーしたら冷たい水が飲みたくて。」
「冷蔵庫を開けて冷水を取り出して飲んで。」

あかりが水を飲む姿を見ながらレンは尋ねた。

「明日学校に行くの?」
「学校?うーん…君は行くの?」
「私は君が行かないと学校に行く意味がない。」
「じゃあ、私の言うとおりにするってこと?」
「そうだね。」
「一日中あなたの家にだけいるわけにもいかないから、学校に行かなければならないね。」
「じゃあ、明日ね。」
「うん?」

アカリはそう答えてレンの目をじっと見つめた。
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