女子高生と同居することになった!

17話。心臓がどきどきする

17話。心臓がどきどきする

あかりと俊介は同時に振り返った。 そしてびっくりした。 レンは俊介をにらみながら立っていた。

あかりも驚いたのは同じだったが、俊介は突然のレンの出現に驚いて何も言えずにいた。

「あなたは…···。」

レンは俊介の胸ぐらをつかみながら言った。

「おい、君は何だ? 何で私の彼女をこっそり呼び出して泣かせているの?」
「泣かせようとしたのではなく…···。」
「泣かせようとしたのでなければ何? 君、俺の彼女に何を怒らせたんだ?」
「これちょっと…···…置いて言ってください。」

レンは俊介を押しのけながら胸ぐらをかいた。 俊介はよろめきながら転びそうになったが、かろうじてバランスを取って立った。 それから自分の携帯電話を取り出し、レンをにらみながら言った。

「この携帯に何の写真が入っているか知っていますか?」
「何言ってるの?」
「あなたと渡辺さんがバス停の前に一緒に立っている写真があります。 私が撮ったんです。 この写真をSNSにアップして学生たちに広めれば、おそらく渡辺さんは成人男子と元祖交際すると噂されるでしょう。」
「だからお前がそれを口実にアカリちゃんを脅迫したんだ。」
「同じ学校のティルティルな男の子に渡辺さんを奪われたのも悔しいんですけど、あなたみたいな年上の男の子に奪われるからもっとムカついて。 どうせ渡辺さんは今二股なんですけど、もう一人付き合ってもいいと思いますし。 渡辺あかりはうちの学校の男の子とも付き合ってるんですよ。

俊介は今、自分の前に立っている男がレンと同一人物だとは思ってもいないだろう。

「それでどうしろって? その男の子はただの友達だろうけど、あかりちゃんと私は恋人同士だよ。 ところで、写真一枚で私の恋人を脅迫するの?」

レンが大声で言うと、俊介も負けずに立ち向かった。

「この写真、SNSに広めたらどうなるでしょうか。」
「こいつが!」

レンは俊介の手から携帯電話を奪った。 そして力いっぱい地面に叩きつけ、携帯電話はそのまま液晶が割れてしまった。

「え?私の携帯!」

レンは再び俊介の胸ぐらをつかんだ。

「財物損壊罪で申告してみる? 私は君を脅迫罪で申告するから。」
俊介はレンの怒った顔を見ておびえた。 そして、息が詰まるのかやっと話した。
「二度と、二度と…···渡辺さんに迷惑をかけません。 これをどうか置いてください。」
レンは俊介の胸ぐらをかきながら今度はもっと力いっぱい押し、俊介はそのまま尻もちをついた。 そして、自分の携帯電話のことは気にせず、そのまま逃げてしまった。
俊介がいなくなると、レンはあかりに近づき、手を取りながら言った。
「驚いたでしょう?」

鳥肌が立つようだった俊介の手とは違って、レンの手が触れると、アカリは突然心が温まる感じだった。 あかりは泣きそうな顔をしながらも、落ち着いて尋ねた。

「どうやって知ってここに来たの?」
「君が映画館で私のカードを使ったじゃない?」
「あ、そうだ。」
「カードを使えば、私の携帯電話に使用内訳が書かれたメッセージが来るの。 君が昨日は数人の友達と会うと言ったのに、映画館で撮られた金額を見ると、どう見ても2人の観覧料のようでおかしいなと思ったんだ。」
「友達に会うと言いながらわざと騙そうとしたわけではない。 それでもごめんね。」
「大丈夫。中島あいつに脅されたんじゃない? どうやら昨日君の顔が暗かったのが気になって、カードの使用内訳を携帯のメッセージで見て、映画館の建物の前に来て待っていたんだよ。」
「来てくれてありがとう。 君が来なかったら、私は今も無理に手をつないで引きずられていただろう。 君が来たばかりの時は私に腕組みをしろと言った時だった。 中島さんとずっと一緒にいたら、また私に何を要求していたか分からない。」
「これからはそんな脅迫にだまされるな。 そんな卑劣な奴らの特徴は、一つ脅迫することができれば、それで持続的にいじめることだから。 多分、一度の強制デートで終わっていないと思う。」
「それは君の言う通りだと思う。 さっきも私にずっと気に入らないようにしたら、また強制デートを要求するように言ったの。 君が来てくれて本当によかった。」
「車持ってきたんだけどドライブする。」
「本当? うん、いいね!」

***

車に乗って東京市内をドライブしながらアカリの顔はさっきとは違ってとても明るくなっていた。


「こんなにドライブするのは初めてだよ。」
「え?本当?」
「中古車といっても車も本当にいいと思うし、いや、ただこうやって二人でドライブするだけでも嬉しい!」

あかりは幸せを顔に出して言った。

「今日は何をちゃんと食べられなかったっけ? とりあえずどこかに行って夕食を食べよう。 後で夕食を食べてからまたドライブさせてあげる。 夜景を見るともっと素敵になるよ。」
「わあ!本当に楽しみ!」

あかりの顔が明るいのを見るとれんはほっとした。

レンは新宿に向かって車を運転しながらアカリに尋ねた。

「何が食べたい?」
「イタリア料理店に行きたい。」
「私も好き。」
「今日中島が私に腕を組んで一緒に歩いてイタリア料理店に行こうと言ったの。 そんな気持ち悪い男の子と一緒にイタリア料理店に行ったら本当にぞっとするところだった。 それでレン君と一緒に行きたい。」
「思う存分食べさせてあげる。 待ってて。」

レンはしばらく車を止めて検索し、ナビゲーションを撮って新宿にあるイタリア料理店に向かった。

食べ物を注文して待っていた時、アカリを見たら映画館の建物の前で青くなっていた時とは違って落ち着いた姿だった。

「中島、あいつのせいで本当に大変だっただろう? さっきは君の顔色が今とは全然違ってたんだ。」
「うん。あの時は本当に嫌だった。」
「でも中島くんはハンサムな方で好きな女の子もたくさんいると思うけど、あなたはそんなに嫌だったの?」
「顔は顔で、やることが大嫌い。 変態みたいな感じで本当に嫌だ。 君が今日の変態から僕を救ってくれたんだ。」
「君が私のカードを使ってよかった。 カードの使用内訳に映画館名と支店名まで一緒に通知されたおかげで分かったから。」
「そのカードを使いながら気が重かったけど、結果的にはそうなったねか?」
「でも、そのカードはこれから私の携帯に通知が来ないようにしておくよ。」
「え?そうしなくても大丈夫だよ。」
「何でも買うたびに私の携帯電話に通報されると思ったら、あなたが思う存分カードを使えないと思って。 今日一度は携帯電話に通報されたのが大変助かりましたけれども。」
「ありがとう。」

その時、店員が注文したパスタとグラタンを持ってきてくれた。 あかりは食べ物を見て言った。

「わあ!おいしそう!」

そして携帯電話を取り出して食べ物の写真を撮った。 食べ物を食べている間、あかりは楽しい様子だった。

「本当によかった。 さっき映画館に行って本当によかった。」

アカリが食べ物をおいしく食べる姿を見ると、なぜそんなに嬉しいのか分からなかった。 アカリは食事中にグラタンを指差しながらレンに言った。

「グラタンおいしいのに なんであんまり食べないの?」
「あかりちゃん、今日お腹すいたじゃないか? だからたくさん食べて。」
「私、そんなにお腹空いてないからレン君も食べて。」
「そう言いながらもよく食べるね。」
「今日は一日中ほとんど何も食べなくてお腹が空いてたみたい。」

食事を終えて車に乗りながらあかりが言った。

「本当にごちそうさま。」
「君がよく食べてよかった。」
「本当にありがとう。 これからどこに行くの?」
「お台場!」
「お台場? そこまで行って本当に夜景を見るの?」
「うん。あかりちゃんのために行くんだ。」

夕食を食べて外に出ると、四方は暗くなっていた。 そして、風が吹いて雨が降りそうでない悪天候だった。 レンはあかりをそばに乗せてお台場に向かった。
しばらく走ってお台場に着いて海辺の夜景が見え始めると、あかりは窓の外を見ながら言った。

「わあ!夜景は本当に素敵だ!」

あかりは携帯電話を窓際に当てて動画を撮った。 レンはスピードを落としてゆっくり走った。
レインボーブリッジが見えると、あかりが言った。

「わあ!素敵すぎる! ちょっと車を止めてくれない? 降りて写真を撮りたい。」
「そうしようか?」
「うん。」

レンは駐車場を見つけた。 そして、レインボーブリッジが近くに車を止めた。

「わぁ、素敵!」

あかりは車から降りてレインボーブリッジを眺めながら言った。 ちょうどゆりかもめモノレールが通り過ぎ、きらびやかな夜景が目の前に広がった。

あかりは携帯電話を持って写真を撮り続け、れんに言った。

「レン君、こっちに来て!」

レンが近づくと、アカリは携帯電話を自撮りモードに変え、レンの横にくっついて自撮りをした。 あかりは写真を撮ってから言った。

「レインボーブリッジ歩きたい!」
「そうしよう。」

普段、人がものすごく多いところだが、平日であるうえ、天気が悪いためか、その日は人が多くなかった。 あかりはレインボーブリッジの上を歩きながら美しい夜景を見て感心した。
ところが、風が強く吹き始めた。 あかりはれんに近づき、言った。

「寒い。抱きしめて!」

そう言いながら、あかりはれんの胸に自然に抱かれた。 原宿駅付近の街で俊介が通る時、あかりを彼の目につかないように抱きしめたことや、あかりが悪夢を見てれんの部屋に来た時に抱いてくれたことを除けば、このようにしっかりと抱きしめるのは初めてだった。

アカリはレンの腕から少し離れてレンを見上げた。 二人の目が合った。 あかりはれんを切望していた。アカリはレンに近づき、レンの首を両腕で巻き、レンもアカリの背中を両腕で巻いた。 二人の顔が非常に近くに達した。 アカリの心臓がドキドキしながらドキドキするのが感じられた。
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