女子高生と同居することになった!

18話。最初のキスと10年ぶりの告白

18話。最初のキスと10年ぶりの告白

風は冷たかったが、レンの懐は本当に暖かかった。 レンの体から伝わるぬくもりによってアカリは冷たい風を乗り越えることができた。 ところが、その温もりはただレンの体にだけ伝わる温もりではないという気がした。

考えてみれば天国と地獄を行き来した日だった。 俊介の脅迫によって強制デートをして欲しくもないのに、手をつないで一緒に映画を見るのがとても大変だった。 ところが、死を決心した時、助けの手を差し伸べてくれたようにレンが現れ、アカリを助けてくれた。

そして、驚くべきことは普段見ていた言葉ではなく、何か柔弱に見えたような姿ではなく、悪いことに対して怒る姿で中島俊介を怒鳴りつけて追い出し、アカリを助けてくれた。 それで終わらずに車に乗せてドライブをさせ、おいしい食べ物までおごってくれると、俊介のせいで辛かったストレスが消える感じだった。

今そのようにアカリの心を溶かしてくれたレンが目の前にいた。 それも非常に近いところにあった。 あかりは自分の心とともに自分の体が彼に向かうのを感じた。 そして、思わずレンの首を両腕で抱きしめた。 それと同時にレンの両腕もアカリの背中を抱きしめた。 その手がとても良かった。 レンはあかりの背中を抱きしめたまま優しく撫でてあげた。

まるで「本当に大変だったよね?」 そして、その間本当に寂しかったでしょう? 「私はあなたを決して一人にしておかないよ」と言っているようだった。

誰が先と言うまでもなく、アカリとレンの唇が重なった。 男の唇がこんなに柔らかいとは知らなかった。 そして彼の心のように暖かかった。 アカリはレンと唇を合わせ、お互いの唇を欲しがった。 それは単に本能から生まれたのではなく、切実な誘惑から生まれたのだ。

「レンも私を望んでる。 そして、私を心から愛している。」

そう考えると、すべての心が開くようだった。 生まれて初めてしてみるキスだった。 ところで、キスがそんなに甘いとは思わなかった。 ただ本能による、または好奇心から快楽を感じてみようとするキスではなく、お互いのすべてを切実に願うキスなので、このように甘いだろうという気がした。

夢のような時間が過ぎた。 レインボーブリッジ周辺を照らしてくれる華やかな光も、ただ2人のために存在するような気がした。

その瞬間は本当に幸せだった。 こんなに幸せな瞬間を感じた記憶がなかった。 ところが、今すぐあかりの前にあかりのすべてを受け入れてくれて、すべてを愛してくれる心を持っている男があかりと唇を突き合わせて一番近い距離にいた。

夢のようなキスを終えて、あかりが尋ねた。

「本当に私のために来たの?」
「もちろん。私が10年前の世界に来ることを選んだ理由は、アカリちゃんだけだよ。」
「どうして?……。」
「私の人生であまり意味のある記憶として残った人がいないんだ。 両親は私が高校に入学する頃に離婚し、その後私をそのまま放置しておいて、その影響で友達もほとんど作らなかったし、他のどんな女性も特に好きになったこともないし…···。」
「もしかして社会に出てもずっと恋愛しなかった理由が私のせいだったの?」
「そうだよ。あかりちゃんのせいだよ。 連絡が途絶えて久しいし、消息を知っている人も誰もいなかったが、もし生きていたらどこかで偶然会えるのではないかという思いで…···。」
「バカ。そんな希薄な確率で一生ソロで生きてきたの?。」
「薄っぺらでもあなたに会う可能性が0.001%だけあってもそうするつもりだった。 ところで、思いがけずタイムスリップという機会が訪れた。 それも私が自発的に選択できる機会が。 君にまた会える確実な機会だと思った。」
「でも、10年前の世界に来たら、本当に不便じゃない? あなたが住んでいた世の中のすべての流れも途切れて、またすでに卒業した学校にも通わなければならないじゃないか。」
「幸いスカウトの仕事を辞めて休もうとした時に来ることになったから何の支障もないし、私が父から遺産として受け継いだお金と今私たちが住んでいる家もそのまま10年前の世の中で使えるようになったから、あまり大変なことはない。 そして、学校はあなたのために通っているの。 他の理由なら高校にまた通いたい理由がない。 君が学校にいるから通っているんだ。」
「私は本当に知らなかった。 誰かが私にこんなに会いたがっているとは本当に知らなかった。 実は私の未来がどうなるのか気になる。 それとも私の未来があるのか···…。」

突然、あかりは涙を流し始めた。

「本当に一日に何回も死にたいと思っていたんだ。 薬を飲んで自殺を試みたが失敗して病院に運ばれたこともあり、どうせ価値のある人生だとは思わなかったので、私はいつも死だけを考えていた。 そして、私には永遠に幸せな瞬間は来ないと思った。」

レンはあかりの背中を軽くたたきながら言った。

「君の苦痛に比べれば、私の苦痛は贅沢だったんだ。 私は両親が離婚して放置しておいただけだが、経済的に困難だったこともなく虐待されたこともなかったのに、君は本当に…···。」
「お母さんとお父さんが戸籍上離婚したかどうかははっきり分からない。 でも母は体調が悪いという理由で私に無関心で、また父の暴力に苦しめられている私を放置しておき、父は私に暴力と暴言を日常的にして浮気をする女ができると私を家から出ろとまで言ったので、私は死ななければならない理由が多すぎた。 お母さんも住んでいる家で私の面倒を見ることもできないと言ったし、お兄さんも独立して別に住んでいて、お父さんはしばらく私一人で住んでいた家に突然入ってきては私に出て行けと言ったから死ねというのと同じじゃない?。」

あかりは過ぎ去った日々を思うと、涙があふれた。

レンは涙を流しているアカリの両頬を撫でながら言った。

「そうだね。思う存分泣いて。 このように吐き出せばすっきりするよ。」

アカリの両頬を撫でるレンの手が本当に柔らかかった。 今まで誰もアカリをそんな手で支えてくれたことがなかった。 あかりは思わずれんの胸に抱かれた。 そして、抱かれたまますすり泣いた。

***
どうしてこんなに愛らしいんだろう? レンは自分の胸に抱かれているアカリを思うと、胸が熱くなった。 今、巣を失った小鳥のような女の子が自分の胸に抱かれていた。 彼女が今まで生きてきた時間を考えると、喉が詰まるようだった。悲しく泣いているアカリの痛みがそのまま伝わった。

あかりはれんの胸に抱かれたまましばらく泣いた。今まで積み重ねてきたすべての苦痛と悲しみを吐き出すようだった。 レンは黙ってアカリを抱きしめたままアカリの草の葉のように長い髪に触れた。

しばらくして、あかりは泣き止んだ。 あかりはれんの胸に抱かれたまま言った。

「私をここに連れてきてくれてありがとう。 そして、私に会いに未来からわざわざ来てくれてありがとう。 毎日死だけを考えていた私にこんなに幸せな瞬間が訪れるとは思わなかった。 本当に私に会いにここまで来たの? 10年の時間を超えてね。」
「そうだよ。ただ君に会いに来たんだ。 10年前のその時間をそのまま過ごしたことをとても後悔してね。」
「後悔?」
「君に告白もできず、ただ時間を過ごしたことを後悔するし、君がこんなに辛い時間を一人で過ごさせたことも後悔するんだ。 私が君に送った手紙覚えてる?」
「紫色の封筒に入れて送った手紙のことだよね? シナモンのキャラクターステッカーが貼ってあった手紙。」
「その手紙だよ。」
「バス停にあなたが現れて聞いた時ももう答えたけど覚えてる。 そして、どんな内容だったのかも覚えている。 部活動の時、一緒に見た映画の話を書いたよね?。」
「実はその手紙を書こうと準備する時はあなたに告白しようとしたの。 言葉で好きだと告白する勇気はないから手紙で告白しようと思ったけど、いざ手紙を書くのに何と言えばいいのか分からないし、そして勇気が出なくて突拍子もない映画の話ばかりしたんだよ。」
「でも私は知っていた。」
「何を?」
「君が私のことを好きなのは知っていた。」
「え?本当?」
「部活動する度に君が私の目を避けながらこっそりと私を見つめていたが、私を好きな気持ちが感じられた。 人の目には感情が表れるから。」
「私はそんなことも知らずに…···。」
「そして、映画の話ばかりたくさん書いたが、紫色の封筒にステッカーまで貼ったのを見て、君が私に告白しようと手紙を準備したという感じがした。」
「あの時お前は知っていたんだな。」
後悔するなら今からでもまた告白すればいいじゃない? 先日も電話でうっかり告白したので正式にまた告白したら···…。」

あかりの言葉が終わる前にれんはあかりの両手を握って言った。

「あかりちゃん、大好き!」

あかりはレンの言葉を聞いて夢を見ているような表情をした。

「世界の誰よりもアカリちゃんが好き。」
「今私に…···…告白するの?」

あかりの目にまた涙がにじんだ。

「うん。あかりちゃんのことが好きだと告白するの。」
「私がどれだけ待っていたか…···…私もレン君が好きだったんだ。」
「あかりちゃんが私を?」
「それで君が告白してくれることを期待したが、私はどうせ勇気もなく人生に希望もなくてどんな気持ちも表現できなかった。」
「そうだったんだ。私はアカリちゃんがそうだとは知らずバカみたいだった。 やっぱり過去にタイムスリップしてよかった。」
「もう私のそばにずっといてくれ。」

アカリはそう言いながら、切実な目つきでレンを眺めた。 そしてレンはアカリを抱きしめて、アカリの花びらのような唇に再びキスをし、アカリもレンを抱きしめて長いキスが再び続いた。
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