女子高生と同居することになった!

24。君の彼氏を通報するつもりだ

24。君の彼氏を通報するつもりだ

父の顔が悪魔の顔のように見えた。 父はその日、曇っているのにリビングに電気もつけずにソファに座って酒を飲んでいた。

敵のようなアルコール依存症。 絶対に切れないんだね。 そう、絶対に切れないよ。 パパはそんな人だから。 父と呼びたくもないし、父と思いたくもない人だから。

そんな人に再び目の前で向き合おうとすると、アカリは父親に暴言を浴びせられそうになった危機から家を出て死のうと決心したその夜のことが思い出され苦痛だった。

「顔どうしたの? 久しぶりにお父さんに会ったんだけど、嬉しくもないみたいだね。」
「うれしいはずがない。」
「そう、そうだろうね。」

父はそう言って笑って、また杯を飲み干して言った。

「君の学校に中島俊介という学生が私に連絡をしたよ。」
「え?あの子がどうしたの?」
「君の彼氏に暴行されたと私に賠償を要求していたけど? どうしてそんなやくざのような彼氏と付き合っているの?」
「知らないくせにそんなこと言わないで。 私をいじめたのは中島あいつだから。 そして私の彼氏は暴行なんてしたこともない! 私を助けてくれて、二度と私をいじめるなとただ怖がらせただけだよ!」
「確かに暴行されたそうだけど? 家を出たら静かに暮らすだろう。どうして私にまで連絡を来させるの?」
「中島あいつが一体どうして父の電話番号を知って連絡したの?」
「学校の先生を訪ねて君の彼氏に暴行されたと言って、私の連絡先を聞いたそうだけど? ところで、同級生が暴行したのではなく、成人に暴行されたので問題が深刻だ。 もう病院に行って診断書も切っておいたみたいだけど?それから、君は成人が男性と援助交際とかするの?」
「私はそんなことしない!」
「どうせお金もない女の子がお金持ちの成人男性と同居しているとしたら、それはあれじゃないの?」
「そうじゃないんだって。」
「いったいどんな子なのか顔を見たいな。 成人男性が女子高生を誘い出して同居するなんて。」
「知らないくせに悪い人のように話すな。 私に同居しようと誘ったこともないし、そもそも私が家を出るようにしたのはパパだよ。」
「警察に通報すれば君の言うことを信じると思うか? 厳然と君の法的保護者は私だ。 そして、君は未成年者だよ。 調べてみたら、法律では満18歳になっていない家出した未成年者を一緒に連れている成人は処罰されることになっている。 しかも暴行の件まであって、その男は重罰を免れないよ?」
「今何を言っているの? ばかなことをしたら私が黙っていないよ!」
「怒っているのを見ると、同居している奴にガスライティングされたのか、それとも本当に付き合っているのか。 どんなことがあっても、私は法律を破って、私の娘を連れて同居しているあいつを許すことはできない。」
「私はもうすぐ18歳の誕生日だよ。 残りわずかだよ。」
「でも、あいつが君を連れて同居を始めたのは、君が18歳の誕生日になる前なのに、果たして処罰されないのか?」
「あの子は私の友達なの!」
「え?友達? 私に連絡してくれた男の子の話では、君と十分に10歳か10歳近く離れて見えると聞いたけど、友達って何を言ってるの?」
「チチは知らないからじっとしていろ。 そして、私のことは気にしないで! チチに被害を与えたことはないじゃない? そして、私が外に出ていなくなるから、正直もっといいじゃない?」
「ハハハハ!」

父は大声で笑って、またお酒を飲んだ。 あいつの酒。 前にもお酒を飲むと乱暴を働いていた。 あかりはすぐにボトルを取って投げ出したかった。

「君が私を父だと思っていようが敵だと思っていようが関係ない。 私はただ君の法的保護者として君を叱って同居しているあいつを許したくないだけだ。 あいつは法的処罰を避けられない。 同居していたら、もう何度もあなたに触れたと思う?」
「一度もやったことない!」
「何?」
「そして私たちは結婚する!」
「結婚?」

父は再び悪魔のように大声で笑った。

「結婚するなら私に挨拶をさせないと、何も言わずに結婚すればいいの? そして、いくら仲の悪い親子でも、それでも娘の結婚式の時は行ってみないと。」
「来る必要はない!」

あかりは二人だけの結婚式だと言おうとしてやめた。父は悪魔のような笑みを浮かべて言った。

「君が10歳年上と結婚するか、20歳年上と結婚するか、私と縁を切って暮らすかは関係ない。 ところで、あなたもあなたの彼氏に法的に処罰されることを望んでいないでしょう?」
「今何を言おうとしているの?」
「私に連絡してくれたその男の子は学校であなたに対する噂を広めてからあなたの彼氏に殴られたのか、とにかく怒られたその日タクシーに乗ってあなたの彼氏を尾行してどこに住んでいるのか分かったそうだよ。 それで私が興信所に依頼して人をくっつけて、君が住んでいる家がどこなのかを具体的に調べてみたの。 中島君はアパートの名前だけ分かったけど、私は何号に住んでいるのかまで調べてみたよ。 君は私を避けることができない。」
「いったい私にどうしたの?」
「お金でいい。」
「お金?」
「見たところ、あなたが金持ちの男を聞いたようだが、私が望むお金を渡せばなかったことにしてくれ。 もちろん、結婚も許すつもりだよ。」
「結局は電話した理由がお金を巻き上げる目的だったんだ! そして、あなたが何の権利で結婚を許可したりしないの? 結婚は自分で決めるんだよ。 私はもう子供でもない!」
「まだ話が聞き取れないんだね。」

父はそう言って、あかりをにらんだ。

「チチはもう私の人生に口出しするな。 チチがこれ以上私を苦しめたら私も考えがある。」
「どうするつもりなの?」
「チチが今まで私を虐待したことで十分通報できるよ。」
「通報?プフフッ!」

父は飲んでいた瓶をテーブルにたたきつけた。

「キャー!」

酒瓶は粉々になり、父は鋭い割れた部分が残っている酒瓶の首の部分だけを手に持っていた。 以前にもよく見た見慣れた姿だったが、父のそのような姿は心の奥底に位置しているアカリのトラウマを刺激した。

「君がそんなふうに出てくるなら、私もただではいられない。 一緒に死のうってことだよ。 どうする?一緒に死ぬの?」

あかりはもう魂が抜けたように何も言えずにいた。 父が何をするか分からないという恐怖心がアカリを虜にしていた。

「行って君の彼氏に伝えて。 500万円だけくれたら分からないことにして、私ももう君に連絡しないから。 私もそうしてくれるなら、君が同居するか結婚するか、それを邪魔したり、君の行く手を塞いだくない。 もう行ってみて数日以内に連絡してくれ。」

以前のように物を投げたり暴言と悪口を浴びせかけたりはしなかったが、すでにアカリは心が崩れてしまった。 いや、すでに酒瓶を割って粉々にしただけでも、以前持っていたアカリのトラウマを刺激するのに十分だった。 その上、お金を要求する父の脅迫によってアカリは心が鉛の塊のように重くなったまま前に住んでいた家から出てきた。

もう幸せなことだけが残っていると思ったが、レンと一緒に永遠に幸せになれると信じたが、そしてウェディング撮影と結婚など胸がときめくことだけが残っていると思ったが、そのすべての期待感が崩れる気分だった。

あかりは家を出て倒れそうに体を支えられずやっと歩いた。 これからのことを考えると、目の前が真っ暗になった。

よろめくようにやっと家の前に着いたが、足取りが重かった。 他の時は軽い足取りで家に帰ったが、その日だけはなかなか家に帰る気にならなかった。 1階の玄関前で迷っていたら、レンからメッセージが来た。

<あかりちゃん。 いつ着くの?>

でも、返事をしないわけにもいかず、家に帰らないわけにもいかなかった。

<もうすぐ到着したよ。>
<いなり寿司作ってるよ。>

あかりはこれ以上外でためらっているわけにはいかないと思ってエレベーターに乗って上がった。

ところが、玄関のドアの前に至った時、まるで罪を犯したかのように全く入る気にならなかった。

(そうだよ。目立たないように笑うんだよ。 レン君が作っておいたいなり寿司もおいしく食べるの。)

どうも何も食べられそうになかったが、アカリはそれでもレンが作っておいたいなり寿司を無理にでもおいしく食べなければならないと思った。 玄関の暗証番号を押そうとすると、ずっと迷っていた。

(いつまでここでこうしてるわけにはいかないでしょ? もうすぐ到着したって返事も送ったのに。)

あかりはためらい、暗証番号を押して家の中に入った。

「来たの?」

レンが笑いながらアカリを迎えてくれた。 あかりは無理に笑いながら靴を脱いで中に入った。

「いなり寿司作り終わったから手を洗ってすぐ来て。」
「うん、そうするよ。」

あかりはトイレで手を洗い、制服を着替えた後、テーブルの前に座った。 もう食事の準備はできていた。

「いなり寿司はそんなに作るのは難しくないよ。 でも、美味しいかどうかはわからない。 早く食べてみて。」

レンの言葉にアカリは箸を持って答えた。

「うん。ありがとう。 いただきます。」

レンは自分のいなり寿司を持ってきて、あかりと向かい合って座りながら尋ねた。

「何かあったんじゃないよね?」
「え?」

アカリはレンと目が合った瞬間、心臓がドキドキした。
< 25 / 32 >

この作品をシェア

pagetop