女子高生と同居することになった!

25。君顔に書いてあるよ

25。君顔に書いてあるよ

あかりはその瞬間、れんの目をまともに見ることができなかった。 あかりは返事の代わりにいなり寿司を一つつまんで口に入れて食べながら話した。

「わぁ!本当においしい!」

レンが何も言わずにアカリを見ていると、アカリはごまかしながら言った。

「何かあったって何があるの? だからこんなにおいしく食べるんだ。」

実はおいしいと答えたのとは違って、あかりはれんが作ったいなり寿司の味をよく感じられなかった。

何事もなかったら、いつものようにおいしく食べただろうが、その日はそうではなかった。 しかし、レンに表に出すことはできず、おいしく食べるふりをしていた。

「レン君、本当においしそうに作るね。」
「いなり寿司は材料を買ってきてそのまま作ればいいから、難しくないよ。 私は料理らしい料理はできないから、こんなことでもしなきゃ。」
「いや、本当においしいんだって。 あなたは料理の実力が優れていると思う。」
「おいしかったら、私の料理の実力のためではなく、材料がいいからだろう。」

レンはそう言いながらいなり寿司を食べ始めた。 あかりは何の話題で話を切り出せばいいのか分からず、じっくり考えながらいなり寿司を食べていた。

ありがたいことにレンが先に言い出してくれた。

「君はウェディングドレスはどんなスタイルが好き?」
「実はまだ分からない。 私の周りで誰かが結婚する姿を見たこともないし、ウェディングドレスはテレビで見たこと以外はあまり思い浮かばないんだ。 実際に見たら本当にわくわくすると思う。 いや、考えただけでももうわくわくする感じだよ。」
「君がウェディングドレスを着た姿を想像しただけでも本当にきれいだと思う。」
「君もタキシード着たらかっこいいと思う。」

そのようにウエディング撮影の話をしていたが、あかりの心は重いばかりだった。

「そこにちょっと座ってて。」

レンは2人のいなり寿司を盛った空き器を持って行きながら言った。 それから冷蔵庫から何かを取り出してきた。 それはカットされたパイナップルだった。

「あかりちゃん。パイナップル好き?」
「うん、好きだよ。」
「よかった。 デザートにしよう。」

あかりがパイナップルが好きなのは事実だった。 その日は味を感じられないのが問題でしたが。
パイナップルを一緒に食べている途中、レンが聞いた。

「あかりちゃん。本当はどうしたの?」
「え? 私に何かあったの?」

あかりはしらを切って答えた。 しかし、レンはあかりの目を見合わせながら尋ねた。

「君は顔に全部表示されるよ。 <私、今すごくしんどい>と顔に書いてあるの。」
「……。」

あかりは困って何も言えなかった。 事実通りに話すことも難しく、レンを完璧に騙すこともできないので、どうすればいいのか頭の中が混乱した。父が言ったことを考えると、目の前が真っ暗で涙だけが流れた。 何も言えず、ずっと涙だけが出てきた。

「やっぱり何かあったんだ。」

レンは自分が座っている椅子をアカリのそばに持ってきて座り、アカリの肩をなでながら言った。

「大丈夫だから私に何でも言ってみて。 絶対に君一人で苦しめておかないから。」

でも、家に帰って父に会って聞いた話をどうやってダレンに話すの? それはすぐにレンに父親にお金を渡すように頼んだようなものだった。

レンは何でも話せと言うが、決してそうはならなかった。しかし、自分がすでに何か心配でいっぱいだということは全部バレてレンが知っているが、何も言わずにはいられなかった。

アカリは父が家に来るように連絡したという話と共に、俊介がレンを尾行したことと自分の父に連絡したこと、そして父がレンを申告すると脅迫したことなどを話した。 そして、500万円を要求したとは言わなかった。

レンはあかりの話をじっくり聞いてから、とりあえずあかりを慰めた。

「心配するな。 私が君のそばにいるから心配しないで。」

レンはそう言って、すすり泣いているアカリを抱きしめた。 アカリは緊張していたが、レンに話すと緊張が解けて涙がたくさんあふれた。

何も言えず泣いてばかりいるアカリを胸に抱いたままレンは言った。

「今日はとても大変だったでしょう? わざと私を心配させないように無理に笑いながらどんなに大変だっただろうか?」

アカリが涙を流し続け、ある程度落ち着くと、レンは声は落ち着いていたが憤慨しながら話し
た。

「中島あいつがあの時私を尾行したんだな。 どうして私が気づかなかったんだろう? そして、あなたのお父さんにまで連絡するなんて…···。」

しかし、今中島俊介を訪ねて叱ってくれるのは別に意味のないことだった。 問題はあかりの父親だった。 レンとしてもどう対応すべきか、とがった手が浮かばなかった。

アカリの父が要求しているのはお金だったが、レンはその事実を知らずにいたため、アカリをその邪悪な父からどのように保護すべきか悩むだけだった。問題は、あかりの父が本当に何をするか分からない人だという点にあった。

アカリはレンが悩んでいる姿を見ながら考えた。

あかりは自分の父親を誰よりもよく知っている。 父が望むのは本当にお金だろう。 父が要求した通りに500万円を渡せば、きれいに悩みが解決できるだろう。 しかし、レンにそんな負担を負わせたくはなかった。 お金一銭も払わずにレンに乗って暮らしているが、レンにたとえお金に余裕があるとしても、そのような大金を払わせることはできないという気がした。

(父にしばらくだけ家で過ごさせてくれと祈って、むしろそのまま家に帰ろうか?)

それでは同居しているという理由でレンを申告しないような気もした。 しかし、問題は父親がとても貪欲で乱暴で予測不可能な人だということにあった。

あかりは悩んで首を横に振った。

(父が望むのはお金なのに、私が家に入ったからといって黙っているわけがない。私が家に帰っても、その間レンと同居したことを口実に申告したり、どうしても私とレンをいじめるよ。)

悩んでいるあかりにれんが言った。

「あかりちゃん。ほっといて。」
「うん?」
「君のお父さん、放っておけ。」
「でも放っておけば…···。」
「私にも考えがあるから、私を通報するかどうか放っておけよ。 心配しないでそのまま私を信じてくれ。」

レンは一体どうするつもりなんだろう? どうするためにパパを放っておけというのだろうか?

「ウェディング撮影をする時、 きれいな写真を撮らないといけないじゃない? 心が心配でいっぱいになっていると写真がきれいに写らないよ。 だから何も心配しないで、君はウェディング撮影と結婚式にだけ気を使ってね。」

そう言ってもアカリの顔から心配が消えないと、レンは再びアカリの肩を叩きながら言った。

「あかりちゃん。私を信じてるよね?」
「うん、もちろん。」
「それでは私を信じて心配するな。」

レンは一体どうしようとしているのだろうか? レンが心強いのは事実だったが、父がお金を要求したことを言わなかったのが気になった。 しかし、それだけは決して言えなかった。 すべてをレンにそのまま話すということは、すぐに父にお金をくれと言うのと同じだったから。

とにかくアカリとしてはただレンを信じているしかなかった。 そして、父から連絡が来たらどうすべきかを考えていなければならなかった。

案の定翌日、父にすぐ連絡が来た。

<どうしたの? 彼氏に言ったの? 返事送ってくれるか電話して。>

あかりは気が進まなかったがメッセージを確認してから学校で休み時間にパパに電話をかけた。 そして、レンがお金をあげると答えたと嘘をつきながら、お金を用意するには時間が必要なので、6月末日まで待ってほしいと言ったと話した。

「何?そんなに長くかかるの?」

電話に出る父の話し方はとても荒々しくせっかちに感じられた。

「五百万円は小さなお金じゃないじゃないか? 実はその時まで用意するのもぎりぎりなのに、私がすごく催促しておいたからちょっと待ってくれ。」
「日付を必ず守れ。」

父は自分がまるで債権者であるかのように話し、電話を切った。

幸いにも一応時間を稼いでおいた。どうせ6月24日がアカリの18番目の誕生日だから、その時までにウェディング撮影と結婚式まで終えたらすぐ婚姻届を出さなければならないと思いながら、アカリは現在としてはそのように言っておくのが最善だと思った。

いくら概念のない人だが、父親としても500万円が少なくないお金だということくらいは知っているだろうし、レンの経済的な状況は実はアカリも正確に知らないのに、父親が正確に知っているはずはないので、少なくともその時まではじっと待っているという気がした。

「今週の土曜日にウェディング撮影するの知ってるよね?」

ある晩、レンは笑いながら言った。

「うん、知ってるよ。」
「写真をちゃんと撮らないといけないから、気楽に持ってね。 あと、美味しいものもたくさん食べておいて。」
「そうするよ。」

アカリもそうだが、レンもウェディング撮影にとても気を使っていた。

いよいよウェディング撮影の日。 あかりは朝早くから目を覚ました。 どうせスタジオでメイクをするので化粧する必要はなかった。 あかりは起きるやいなやシャワーを浴びてから簡単に基礎化粧だけした。 レンはすでに準備を終えて待っていた。

「きれいな花嫁、準備できましたか?」

レンの姿を見ると、もうドキドキした。 今日はいよいよウェディング撮影の日だ。 結婚式をする日は特に撮影がない予定なので、今日がアカリの一生で一番きれいな姿を撮影する日になるだろう。 あかりはドキドキする気持ちを落ち着かせながらレンに挨拶した。

「はい、新郎。 準備できました。」
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