ごめん、キミが好き《短編・完結》
「もう3月かぁ。俺も卒業だよ。」
私に車道側を歩かせないように
私の歩幅に合わせるように
タクマはゆっくり私の隣を歩く。
「タクマも大人になったね。」
つい口から出た言葉。
「そっかな?どうしたの急に…。まぁさすがに出会って10年だよ。ユイは綺麗になったね。」
鼻の頭をかいて少し照れながら言うタクマの言葉は、嬉しい半面寂しく感じる。
いつのまに男の人になっちゃったの?
「そういえば、この前父さんから電話があってさ。」
ドクンッ―
「そうなの?おじさん、何て?」
「誕生日には行けないけど、卒業式には日本に帰って来てくれるらしいよ。」
「そうなんだ。良かったね。会うの3年ぶり?」
「うん。俺の大学も見ておきたいからって。」