ごめん、キミが好き《短編・完結》
「駅まで一緒に行こう?」
玄関で、最近買ったばかりのヒールを履いてる時、タクマが声をかけてきた。
「タクマはまだ出る時間じゃないでしょ?」
タクマの高校は電車で20分だから、通勤に1時間かかる私と一緒に出る必要はないはず。
いつもなら、
『行ってらっしゃい』
って送り出してくれるのに。
「最近のユイは夜遊びするから、ゆっくり話す時間ないじゃん。少しくらい俺との時間大切にしてよ。」
ローファーに挟まった制服の裾を直しながらタクマは悲しそうに言った。
「そっか。」
一緒に居たくないから、夜遊びしてるんじゃん。
心の中ではそう思っても…
「?…顔色悪いけど、昨日飲み過ぎた?」
私のほっぺに触れて、心配そうに顔を覗かせるタクマを見たら…
そんな事口が裂けても言えない。