極上御曹司の純愛〜幼なじみに再会したら囲い込まれました〜
でも、それもいいかもしれないと思い始めていた。

実家の借金返済の手伝いをするのはなにも都会でなくてもいいし、保育士の資格がある今は田舎に帰って働くこともできる。必ずしもあの場所じゃなければならない理由なんてないのだ。

そんなことを思いながら分厚いはんてんを着こんで、縁側に座り十二月間近の冬の夜空を眺めていた。

「美詞、ちょっといい? ってこんな寒いところじゃ風邪ひくから中に入りなさい」
「いいの、田舎の澄んだ空気味わってるだけだから。それよりどうしたの?」
「そうそうあのね、部屋を掃除してたら昔のあなたたちの写真が出てきたのよ。ちょっと見てくれない?」

そう言って隣に座ると手に持っていたアルバムを差し出した母。

「ほら、小さい頃の美詞と宏太が写ってるの。可愛いでしょ〜」

と上機嫌でページを捲っていく。可愛いと言われても、自分の小さい頃の写真は太っているものばかりでそれほど可愛いと思えるものじゃない。

「これなんか幼稚園のかけっこで一番になったやつ。これは九十九学園で音楽会してたときのよね。懐かしいわ」
「……」
「あ、ほらこのハーフだった子、確か音羽くんて言ったわよね。イケメンで天使みたいな子だった。美詞にずっとくっついて離れなくて仲が良かったから見ていて可愛かったわぁ。今、彼はどうしてるのかしらねぇ」
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