ゾンビゲーム 〜生死をかけて脱出せよ!〜
「私はゾンビじゃないよ」




梨乃が呆れ顔を浮かべている。




「ど、どうして……通路にいたのに!」



「一度ドアの鍵が閉まったけれど、また開いたの。なんでかわからないけどね」




梨乃が大人みたいに肩をすくめてみせる。

きっと、プレイ人数が足りないからだ。

だから一度閉めたドアの鍵がまた開いて、梨乃と春美をこの部屋に誘導してきたのだ。

それを証明するように『ゲーム再開』と声が聞こえたかと思うと、天井から水が流れ落ちてきた。

文秋はチッと小さく舌打ちすると同時に、安心感を覚えていた。

1人で行くと豪語したものの、やはり恐ろしいことには変わりなかった。

ここで死んでしまうかもしれないと、覚悟も決めていた。

それがこうしてまた友人と会うことができて、こんな状況なのに少し心が踊っているのも事実だ。

自分の覚悟の弱さにうんざりしてしまう。
< 103 / 179 >

この作品をシェア

pagetop