ゾンビゲーム 〜生死をかけて脱出せよ!〜
「どうしよう、ヒントがどこにもない!」




春美が焦りに声を荒げる。

ロウソクとマッチが手に入ったのに、これはヒントには無関係だったみたいだ。

もしかしたら自分たちを惑わせるための仕掛けだったのかもしれない。

梨乃は落胆しながら電気のスイッチに手を伸ばす。

と、その瞬間春美の怯えた表情がロウソクの薄明かりの中で見えた。

そう言えば前の部屋では電気をつけた瞬間春美の目の前にゾンビが出現したのだ。

そのときのことを思い出したのだろう。



梨乃は念の為にロウソクをつかって自分の周辺を照らし出してみた。

今の所ゾンビは出現していない。

けれど、電気をつけることでどこからか現れる可能性は十分にある。

緊張からゴクリと唾を飲み込んで再びスイッチに手を伸ばす。

どうか、まだ現れませんように。

祈るような気持ちで「えいっ!」と電気のスイッチをつけた。

パチッと音がして明るさが部屋に戻ってくる。

身構えていたけれど、ゾンビの姿はどこにもなかった。

どこからか出てくる気配もなく、ホッと胸をなでおろす。

けれど安心はしていられない。

水位はすでに梨乃と春美のふくらはぎの上まで来ている。

なんのヒントも見つけられないまま時間ばかりが経過していることになる。

< 139 / 179 >

この作品をシェア

pagetop