ゾンビゲーム 〜生死をかけて脱出せよ!〜
「か、考えすぎだって!」




文秋の声が裏返っている。

ここに梨乃たちを連れてきたのは文秋だ。

ゲームがすべて本物だとすれば、文秋がふたりを巻き込んだことになる。

もちろん悪気はなかったにせよ、とんでもないことをしてしまったことになるのだ。




「きっと助けがくるから、それまで頑張ってくれよ」




懇願するように春美へ言うが、その助けはいつまで待ってもやって来ない。

第2の部屋に入ってから、すでに15分は経過している。

水はどんどん部屋に溜まってきていて、足首の上まで来ている状態だ。




「これが本物だとすれば、脱出しなきゃ」




梨乃が文秋へ視線を向けて言った。

その目は真剣そのものだ。

脱出ゲームが本物だなんて思いたくはないけれど、ぼーっとしていたら水が溜まってきてしまう。

なにもしないまま溺死することなんてできない。
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