秘密
 理世に突っかかっていると理世の口からきいたが、剣持まどかから噂を聞かされたんじゃないかとひやひやした。ありっこないが理世が受け入れてくれたら、俺はあの地獄から救われるんじゃないかと夢を見ていた。ただ、理世との居心地のいい時間はなくしたくなかった。恋人になって、結婚するってなったらこの秘密を教えないといけないと思っていた。

 あの夢を見ないために代替えで女をひっかけて遊んでいた時期もあったが、地獄は改善されず地獄のままだった。

 崖下がすき、なの。

 その告白に胸が沸いた後、一気に地まで落ち込んだ。

「ううん、でも、最後に―――抱いてくれない?」

 関係が男と女でしかなくなる言葉はいずれ別れを予感させるものだからだ。
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