捨てられ秘書だったのに、御曹司の妻になるなんて この契約婚は溺愛の合図でした

一度しか袖を通さないものをオーダーするなんて、そんな贅沢なことは考えたこともなかった。

「そんな、もったいないですよ」
「ソルシエールのドレスが気になってるんだろう?」
「えっ、どうして知ってるんですか」

今日の打ち合わせは招待客リストと当日の流れの確認、さらに衣装や招待状のデザインの相談をする予定で、凛はスムーズに進ませるために事前に下調べをしていた。

お気に入りのアパレルブランドであるソルシエールが今年に入ってウェディングドレスを手掛け始めたと知り、昨晩興味本位でホームページで見てみたところ、凛の趣味どストライクのラインナップだった。

あまりの可愛さに時間を忘れて見入っていたが、写真の下に小さく載っている価格に驚愕し、あくまで観賞用だと割り切って眺めていたのだ。

けれど亮介が帰ってくる前にひとりで見ていたはずなのに、どうして彼が知っているのだろう。

信号が青になり、正面を向いた亮介をまじまじと見ると、彼はクスッと笑ってアクセルを踏み込んだ。

「どうしてって、開きっぱなしのパソコンに突っ伏して寝ていた凛を抱いて運んだのは誰だと思ってるんだ」
「え? あ……っ!」

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