夢×恋グラフィティ
第2話❥席替え
❥❥
「また1位は、御井さんだわ。700点満点中、670点だって。本当頭良いよね〜」
「あいかわらず、すごいわ。学校の休み時間もほとんど勉強してるし。私には真似できないなぁ」
廊下に張り出された期末テストの順位表を見ながら、話す女子たち。
私はそんな彼女達の後ろを通り過ぎながら、ちらっと貼られた順位表を確認した。
よし。とりあえず目標達成ね。
でも…。
私は先ほど確認した順位表の2位の名前を思い出し、小さくため息をこぼす。
【2位 真田唯月 665点】
本当に危なかった…。
あと、6点どこかで落としていたら、1位じゃなかったかもしれない。
真田唯月(いつき)。
私と同じクラスの男子生徒。
見た目は、遠目からでも目立つ派手な金髪に、アーモンド型の綺麗な二重の瞳。スッと通った鼻筋に小さな唇。いわゆる、イケメンの部類に入る彼は、同級生から上級生まで女子からの人気も高い。
さらに、性格も人懐っこく男子の友達も多い上に、学年2位の秀才。噂によると、スポーツまでできるらしいし。
天は二物を与えずっていうのは嘘だと、私は真田唯月の存在を知ってから感じるようになった。