♂のボクは、♀︎に恋をしない

本だけじゃない関係

後日。
本を貸すから図書室に来て欲しいと言われ、今向かっている最中。
ふふふ〜ん♪
今僕はどんな女子よりも青春しちゃってる気がするな〜♪
ウキウキで部室には入らず図書室のドアを開ける。
「失礼しま〜す…」
恐る恐るそう呟き、中に入って彼を探す。
「耀浬!こっちこっち」
「琉斗…!」
隣の椅子をひいてくれる琉斗。
そんな細かい気遣いにドキッとしながら大人しく隣に座る。
「はい、本」
「あ、ありがとう…!」
そっと本を受け取り、貸し出し手続きを済ませた。
「じゃあ、僕はこれで…」
「待って」
パシッと手を掴まれる。
「LINE交換したい!」
「っ、え?」
ら…LINE!?
「い、いいけど…」
「っしゃ。なら、今度の日曜空いてる?」
その問いかけに、スケジュール帳を出して捲る。
「日曜日曜…うん、空いてるよ」
「決まり!日曜の午前11時にバナナ公園集合でいい?」
「うん…!」
僕が頷くと、琉斗はニッコリ笑った。
「じゃあまたな、耀浬!」
颯爽と手を振って図書室を出て行く琉斗。
思わず心臓を抑える。
やばい…あの笑顔はやばい…。
あれでいったい何人を射止めてきたんだか…。
日時を忘れないようにメモを書く。
よし。
楽しみだなぁ…!
ルンルン気分で本を持ち、部室に入った。
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