腐った苺
中川はみんなの前で笑ったけど
アレは公開死刑みたいなもんだよね
私を助けるためだったよね
神様
私はどんな罪を償えばいいですか?
中川を助けるために言ったことが
逆に中川に助けられた
「桜井、ごめん
みんなの前で
あんなことになっちゃって…」
中川に謝られた
「や、や、や、…
とんでもない!
私のほうこそ…ごめんね」
中川と一緒に帰った
最後の通学路
数学の補習の帰り
いつも一緒に帰ったよね
「さっきもそうだったけど
困ってる人とか
助けたい人がいると
黙ってられないヒーローみたいな桜井を
オレは好きになったんだ」
「え、そんな…」
好きとか照れるし…
「でも桜井
推しに一生懸命で告えなかった
伝えないで卒業するつもりだった」
言ってよ!
もっと早く言ってよ!
私が困ってる人を助けたくなるのは
私の推しがそーゆー人だからだった
見ないふり
聞かないふりができない
私の推し
その影響かもしれない
やはり尊い♡
「私は中川は山ピーのこと好きだと…」
「数学の補習も
絶対、桜井って数学補習だから
オレも出てた
小テストもわざと間違えて
一緒に帰ろうとしてた
…
他の女子と話さないのも
優しくしないのも
桜井が好きだったから…
…
オレ、中1の時は桜井より身長低かったんだ
覚えてないよね?
だから牛乳飲んで背伸ばそうとした」
「え!マジ?…ですか」
全部、私のため?
「最後の席替えで隣の席になった時
めっちゃ嬉しかったけど
実際は恥ずかしくて桜井の方見れなくて…」
なんだ
山ピーのこと見てるわけじゃなかった
真剣に授業聞いてたのは
数学が好きだからか
まぎらわしい
ぜんぜん気付かないわ
「オレ、キモいよね
ひくよね
桜井と高校バラバラだけど
せめて友達でいたかったけど、無理か…」
せめて?
友達以上を望んでもいいのか?
「と、友達でいてもいいよ…」
なに?この言い方
上から
「いいの?」
「うん!もちろん!
数学教えてもらったし…」
むしろ
友達でいいの?
「わからなかったら
またいつでも教えるよ
連絡してよ!
あ、連絡先…」
「うん!交換しよう!」
中山とLINEを交換した
LINE初男子!
「いつでも連絡して!」
「中川、数学だけ…だよね?」
「文系はあまり得意じゃないけど
わかる範囲で教えるよ」
「そーゆーことでもなくて…」
「離れるけど
桜井、元気でね」
思えば中川は私に優しかった
なんで気付かなかったんだろう?
だから好きになったんじゃん!
ただ推しに似てただけじゃないよ
「中川のボタン
もらってもいいの?」
ボタンだって
私のこと思って誰にもあげなかったんでしょ
「え、もらってくれるの?」
「うん!
中川のボタン、ください!
…
私も中川が…
…
中川が、好きだよ」
中川を見上げて言った
この身長差も中川が努力して
私より大きくなったんだよね
尊い
愛おしい
学ランからボタンを外して
中川が私に差し出した
中川の手の上のボタンに手を伸ばしたら
中川が私の手を握った
「握手?
中川、これからもヨロシクね」
「2番でもいいから
好きって言ってくれて嬉しかった
ありがとう、桜井」
2番…なのかな…
中山はボタンと私の手を握って歩き始めた
握手じゃなかったの?
コレは…
もしかして、手を繋いでる?
中川、2番じゃないよ
心の中でそう呟いた