断罪された公爵令嬢は自分が聖女だと気づき、甘い溺愛の中でもう一度人生をやり直す
私とお父様は、急いで客間に向かう。

客間には、これまで見たことも無いような美しい顔の青年が椅子に座っている。

その青年は私たちが客間に行くと、ゆっくりと立ち上がった。


「突然の訪問で申し訳ない。フォンリース公爵家当主のジャカル殿と長女のエイリル嬢ですね。初めまして、ベルシナ国第一王子であるグレン・ヴィルシュトン申します」


その青年の胸元には、王族しか付けることの許されないベルシナ国の王族を示すバッジがついている。

この青年は、いや、このお方は間違いなく第一王子でいらっしゃるグレン殿下である。

私とお父様は慌てて最敬礼をしてから、名乗る。

「フォンリース公爵家当主のジャカルです。此度の訪問、フォンリース公爵家当主として歓迎致します」

「長女のエイリルと申します。グレル殿下にご挨拶出来ること大変嬉しく思いますわ」

私たちの挨拶を聞き、グレル殿下は優しく微笑まれる。
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