断罪された公爵令嬢は自分が聖女だと気づき、甘い溺愛の中でもう一度人生をやり直す
「そんなにかしこまらないでくれ。突然の訪問、大変申し訳なかった。実は、愚弟の行いを詫びたくてこの家を訪れたんだ」

グレン殿下はそう仰ると、私に深く頭を下げた。

王族が頭を下げるなど普通では考えられない。

「っ!?頭を上げてくださいませ!」

「いや、此度の愚弟の行い、止められなかった私にも非はある。今からでは遅いだろうが、必ずフォンリース公爵家にこれ以上不利益を生まないことを誓おう。そして、エイリル嬢がこれからも学園にいられる様に取り計らうことも約束する」

「私は・・・・」

「エイリル嬢?」

グレン殿下が私の無罪を信じて下さり嬉しかった。

しかし・・・・

「私は今学園で厳しい状況に立たされていますわ。味方が誰もいない状況です。正直、もうあの場所戻る勇気が今はありません・・・・」

「そうか」

グレン殿下が何かを考え込んだ後、お父様の方に向き直る。
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