一年後に離婚すると言われてから三年が経ちましたが、まだその気配はありません。
「それに向こうも私も、全てをさらけ出したという訳ではないかもしれないし……」

 実の所、私はまだ二人に隠し事をしている。
 それに関しては確証があることではないし、無闇やたらに話すと誤解を招くことであるため、話さないことにしたのだ。

「真実は闇の中……いいえ、今の所真実は病死である訳だけど」

 私の母は、既に亡くなっている。心労が祟って、病死してしまったのだ。
 しかし私は、それに対して疑念を抱いている。母は本当に、病死だったのだろうか。
 あの頃の私は、お医者様の話を信じて疑わなかった。しかしながら、あのお医者様は父の手がかかった者だ。もしかしたら死因を偽装しているかもしれない。

「これは何の根拠もない推測でしかない。でも、父ならやりかねないと思ってしまう」

 父は残酷な人物である。彼は命を奪うことも厭わない人だ。その地位を守るために、手を汚していることを私は知っている。
 その毒牙に母がかかったとしてもおかしくはない。彼は母が生きている時から、今の後妻と関係を持っていた。彼女と結ばれるために母を、そう考えてしまうのだ。

「仮にそうだとしても、その真実を解き明かす方法が今掴むのはきっととても難しい……」

 結局曖昧なことである訳だし、これを二人に話す必要はないだろう。これに関しては、私の胸に秘めておくべきことだ。
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