花束になりたい

第一話


憧れていた。

まるでお花みたいな、華やかで、可愛い人に。

花束になって。

輝いてみたかった。






……中学校には、私、貝塚 瀬里(かいづか せり)の居場所がない。

二年三組の教室の中。

いつだって、ひとりでいる。



私は人よりきっと……、いや、絶対に、体重が重い。

そのことでからかわれきた。

小学生の時から、ううん、幼稚園児の時からそうだったかも。



だけど中学生になって、それは加速した。



背中を指差されて。

冷ややかな視線。

あざ笑う声。



それに耐えなくちゃいけないから。

私は背中を丸めて。

髪の毛をおろし、顔まわりを隠す。

そうすることで、心を守る。

なるべく小さく、目立たないように気をつけながら。






放課後、教室から出て昇降口に向かうと。

昇降口の前。

全校掲示板に向かって、何人かの人が作業をしているところだった。

その人達が生徒会のメンバーだとわかったのは、生徒会で副会長を務めていて、クラスメートの大友 理人(おおとも りひと)くんがいたからだった。

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