知人の紹介で
「千景、愛してる。お前が好きだ。俺のそばにいてくれ。な? 千景を一生愛するから」
「もう……そういうの恥ずかしいんだって……」

 急に甘くなるから恥ずかしくて、またも素直に応えられない。こんな面倒くさい女なんて普通は嫌だろうに、和巳は楽しそうに千景を見つめてくる。

「あれもダメ、これもダメって本当に贅沢だな」
「……ごめん」
「ふっ、また急にしおらしくなる」
「だって……本当にごめんなさい。あなたには恥ずかしいところばかり見られてて、素直になれないの……」

 恥ずかしいのを堪えながらも正直に答えれば、和巳は千景を愛しそうに見つめて額へと口づけを落としてくる。

「知ってる。そういうお前が俺にはかわいい」
「もう……」
「千景。いい加減お前の気持ちも聞かせろ。千景?」

 最後のその優しい呼びかけに、千景はようやく恥ずかしさを超えて、自分の想いを外へと出せた。

「……好き。私も好きなの。和巳が好き……私をあなたのものにして?」
「ふっ、上出来。今日からお前は俺のものだ」
「……うん」
「俺はお前のものだよ」
「……うん」
「じゃあ、確かめ合ったところで、もう一度愛し合おうか」

 今度はもう何も堪えなかった。何度も「好き」だとこぼしながら触れ合った。和巳もたくさんの愛を囁いてくれた。これ以上ないほど千景は深く深く満たされた。
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