知人の紹介で
「陽菜ちゃん、今日まで待たせてごめん」
「いえ。約束守ってくれてありがとうございます」

 あの日と同じ公園で二人は今向かい合っている。優作の答えを陽菜がどう受け取ってくれるかはわからない。でも、自分ができる最大限のことをしようと決めて優作はこの場に立っている。

「陽菜ちゃん。あのときの返事するね。やっぱり俺はね、七つも下の君と無責任には付き合えない」

 優作がそう言った瞬間、陽菜はぽろぽろと涙をこぼしはじめた。きっと振られたと思ったのだろう。だが、優作の言葉はこれで終わりじゃない。

「あー、ごめん。ごめんね? 泣かないで? ちゃんと最後まで聞いて?」

 優作がそう言えば、陽菜は涙を拭い、新たな涙がこぼれそうになるのを必死に堪えながら、優作を見つめてきた。それを見て優作ははっきりとその想いを告げた。

「陽菜ちゃん。俺もね陽菜ちゃんが好きだよ。だから、俺と結婚を前提に付き合ってください。よろしくお願いします」

 優作はしっかりと頭を下げる。本当は指輪を用意したかったのだが、決意したのが二日前で、陽菜の指輪サイズもわからないから、用意はできなかった。代わりにバレンタインデーのお返しの品を差し出している。

「え……? え?」

 陽菜は優作が差し出したプレゼントを受け取りはしたものの、状況がよく理解できていないのかしきりに「え?」と繰り返している。突然求婚なんてしたから無理もない。だが、優作が陽菜と一緒になるためにはそれが一番だと思ったのだ。このくらいしないと陽菜に手を出すことなんてできない。
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