知人の紹介で
「年の離れた俺に陽菜ちゃんを縛るのはよくないって頭では思うんだけど、俺も陽菜ちゃんが好きだから、ノーっていう選択肢は取れなかった。でも、無責任に手は出せない。だから、責任を取る形にしたいんだ」
「……それが結婚?」
「そうだよ。君の人生に責任を持つ。その代わりに俺と付き合ってくれる?」
「うぅー」

 陽菜は急にボロボロと涙を流しはじめてしまった。

「あー、もうそんな泣かないで? ね? 返事を聞かせて?」
「はいっ、お願いしますっ」
「うん。じゃあ、これからよろしくね?」
「はいっ!」
「おわっ」

 陽菜が勢いよく優作に抱きついてきた。咄嗟に陽菜の背に腕を回して受け止めたが、これはまずいと優作はすぐに両腕を上げて陽菜から離した。

「あー、陽菜ちゃん、結婚するまではできるだけ接触は控えようか? 君のこと大事にしたいし。ね?」

 優作がそう諭せば、陽菜は優作に抱きついたまま、いやいやと首を横に振っている。優作としては年の離れた陽菜と付き合う以上は、結婚するまで清い交際をすべきだと思っている。ハグくらいはいいだろうとは思うが、密着しているとどうしても邪な気持ちがもたげてしまうのだ。だから、今のこの距離感は非常にまずいのだが、陽菜からすすり泣く声が聞こえてきて、今このときだけはしかたないかと諦め、陽菜の好きにさせることにした。もちろん優作の両腕は上がったままだ。

「はあー。じゃあ、今だけね?」
< 133 / 179 >

この作品をシェア

pagetop