知人の紹介で
 そんな出来事から二週間くらいが経った頃、内定先の会社から呼びだしを受けて出向いてみれば、ナンパの強要に関しての聞き取り調査だった。圭吾はまだその段階では会社に報告していなかったから、きっと別の誰が垂れ込んだのだろう。

 圭吾はもしかすると内定に影響があるんじゃないかという不安もあったが、それでも今後同じ被害を出さないためにも、あの日あったことをすべて正直に告げ、あとは無事に入社できることを祈った。



 そして、それからさらに半年が過ぎ、圭吾はその内定を取り消されることもなく無事に第一志望の会社へと入社した。


 入社式を終えた今、同期入社の面々はこのまま一緒にご飯でも行こうかなんて話しているが、圭吾だけはなぜかその場に居残るように言われてしまったから、同期の皆が楽しそうに話しているのをただ見ていることしかできなかった。

 次々に会場を出ていく同期たち。人事の人もその場から離れてしまい、とうとう圭吾一人になってしまった。さすがに、入社初日に一人取り残されれば心細い。落ち着きなくきょろきょろとしていれば、突然後方から話しかけられ驚いた。

 慌てて声のしたほうへ振り向けば、なんとそこには我が目を疑うほど驚きの人物が立っていた。
< 14 / 179 >

この作品をシェア

pagetop