知人の紹介で
 そうしてこの日からの湊斗は今まで以上によく勉強に取り組み、絶対にいい結果を出すからと大層意気込んで試験に臨んだ。

 純花は普段の頑張り自体を褒めてやりたいと思っていたから、結果に関わらずご飯に連れていってやろうと思っていた。けれど、蓋を開けてみれば、湊斗は予想以上の成果を持ち帰ってきたのだった。

「純花さん。試験の結果返ってきたよ。見て?」

 湊斗から手渡された答案用紙を一通り確認してみれば、すべての科目で点数が伸びている。ずっと六割程度をキープしていたのに、今はすべて七割を超えている。さらには、ものによっては九割を超えているものもあった。

「すごい。よくできてる。しかも、古典は九十点超えてる! すごいね。湊斗くん、よく頑張ったね!」

 なんだか湊斗以上に自分が喜んでしまっている気がする。湊斗の実力はまだこんなものではないと思っているが、それでもここまで発揮できるようになったことが本当に嬉しかった。嬉しくて思わず湊斗の頭をよしよしと撫でてしまい、慌ててその手を離したが、湊斗はまだ物足りないと言わんばかりの表情をして、続きを催促してきた。

「純花さんに褒めてもらえるの嬉しい。もっと褒めて?」

 なんと愛くるしいことだろう。そんな上目遣いで見つめられたら拒否できない。純花はもう一度湊斗の頭に触れ、湊斗の頑張りを労うようによしよしと撫でてやった。

「ありがとう、純花さん。あのね、古典は純花さんが好きな教科って言ってたからいい点取りたかったんだ。だから、いっぱい頑張った」

 なんとかわいいことを言う子だろうか。こんなにいい生徒を持てて純花は本当に幸せだ。
< 47 / 179 >

この作品をシェア

pagetop