知人の紹介で
「ほら、営業部なんかに配属されたら、自分から契約取りにいかないといけないんだぞ? このくらいできなくてどうする」
「いや、でも、営業部と決まったわけでもないですし……」
「決まらないとも言えないだろ? それにどの部署でもコミュニケーションは大事だからな。先輩からの指示をまともに聞けないのも問題だしなー?」
「それはそうかもしれませんが……他の! 他の方法にしましょうよ。例えば、何かボランティアで地域の方と何かをするとか、そういうことでもコミュニケーション能力は鍛えられませんかね?」
「は? お前立場わかって物言ってる? 素行に問題ありって会社に報告もできるんだけど?」
完全なる脅しだ。会社に報告すれば処分を受けるのはどう考えてもこの人たちだろうが、先にこの人らが上手く言いくるめてしまえば、内定取り消しの事態も起こりかねない。今は穏便に事を済ませるのがいいだろう。
「いやいやいや、やめてくださいよ。ほら、ナンパだと相手にも迷惑かけてしまうかもしれないじゃないですか」
「それはお前次第だろ。ほら、次通った女に声かけろよ。ま、もしも次がおばさんだったら、勘弁してやってもいいぞ」
「いや、そういう問題ではなくて――」
「お、来た。うーん、ちょっとガキっぽくも見えるけどまあいいか。上手く声かけろよ?」
目の前の道をこちらに向かって歩いてくる女性は、とても小柄で自分よりも幼く見えた。高校生くらいかもしれない。服装も含めてみれば、もう少し上に見えなくもないが、もしも未成年に声をかけたとなったら、例え脅されてのことだったとしても問題になってしまうかもしれない。圭吾はどうにかこうにか断ろうとした。
「え、いや。でも、あれ高校生とかじゃないですか? さすがにヤバいですって」
「はあ? 根性ねぇな。俺がお手本見せてやるからそこで見とけ」
「え!? ダメです、ダメです! 自分! 自分が行きますから!」
一人のOBが女性のほうに行こうとするものだから、圭吾は慌てて止めて『自分が』と名乗り出てしまった。もうこうなったらどうにかしてあの女性を連れて逃げるしかない。
圭吾は覚悟を決めると、道を聞くふりをしながら、その女性に声をかけた。
「いや、でも、営業部と決まったわけでもないですし……」
「決まらないとも言えないだろ? それにどの部署でもコミュニケーションは大事だからな。先輩からの指示をまともに聞けないのも問題だしなー?」
「それはそうかもしれませんが……他の! 他の方法にしましょうよ。例えば、何かボランティアで地域の方と何かをするとか、そういうことでもコミュニケーション能力は鍛えられませんかね?」
「は? お前立場わかって物言ってる? 素行に問題ありって会社に報告もできるんだけど?」
完全なる脅しだ。会社に報告すれば処分を受けるのはどう考えてもこの人たちだろうが、先にこの人らが上手く言いくるめてしまえば、内定取り消しの事態も起こりかねない。今は穏便に事を済ませるのがいいだろう。
「いやいやいや、やめてくださいよ。ほら、ナンパだと相手にも迷惑かけてしまうかもしれないじゃないですか」
「それはお前次第だろ。ほら、次通った女に声かけろよ。ま、もしも次がおばさんだったら、勘弁してやってもいいぞ」
「いや、そういう問題ではなくて――」
「お、来た。うーん、ちょっとガキっぽくも見えるけどまあいいか。上手く声かけろよ?」
目の前の道をこちらに向かって歩いてくる女性は、とても小柄で自分よりも幼く見えた。高校生くらいかもしれない。服装も含めてみれば、もう少し上に見えなくもないが、もしも未成年に声をかけたとなったら、例え脅されてのことだったとしても問題になってしまうかもしれない。圭吾はどうにかこうにか断ろうとした。
「え、いや。でも、あれ高校生とかじゃないですか? さすがにヤバいですって」
「はあ? 根性ねぇな。俺がお手本見せてやるからそこで見とけ」
「え!? ダメです、ダメです! 自分! 自分が行きますから!」
一人のOBが女性のほうに行こうとするものだから、圭吾は慌てて止めて『自分が』と名乗り出てしまった。もうこうなったらどうにかしてあの女性を連れて逃げるしかない。
圭吾は覚悟を決めると、道を聞くふりをしながら、その女性に声をかけた。