授かり盲愛婚。 〜ハイスペ紳士とラグジュアリ一な一夜を過ごしたら、愛の結晶を宿しました。〜

侑埜side





「――やっと見つけた」


 そう言って彼女を見ると、目を見開き目を潤ませていた。

 何も言葉を発しない彼女に先程上がらせてくださった夫婦が「史菜ちゃん、おかえりなさい。疲れたでしょ? 荷物置いて来たら?」と優しく告げる。


「あっ、はい。すみません……置いて来ます」


 その会話から史菜ちゃんと彼女らが仲がいいことが伺えた。彼女が出て行くと一緒にいた同い年くらいの女性も出て行った。





「……で、さっきの話は本当なのかな。まだ、俺たちは二回しか会っていない君を実のところ信用できていない。どれだけすごい会社の社長だろうがベリが丘と言われてもね。それにあの子の驚き方は……あなたにとても会いたいと思っていた顔ではなかった」


 ここにくるのは実は二度目だ。

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