授かり盲愛婚。 〜ハイスペ紳士とラグジュアリ一な一夜を過ごしたら、愛の結晶を宿しました。〜


「……それはおっしゃる通りです。彼女は何も悪いことはしていないのだから」

「……そう。私は史菜ちゃんに話を聞いてくるよ。あの子が少しでも話をしたいと言ったら話し合うようにするよ」


 そう奥様は言うと居間から出て行った。

 ドアが閉まる音がして足音が遠くなると旦那さんが話し出した。


「……君は、あの子を連れ戻しに来たのかな?」

「はい。迎えに来ました」

「君について行って史菜ちゃんは幸せになれるのかな? 一度、別れを選ばせた君に幸せにできるとは到底おもえないが思えないが」


 旦那さんの言葉はグサグサと刺さり、当然のことだ。



< 113 / 209 >

この作品をシェア

pagetop