つまらない日々に花が咲いた
家に帰る途中で加納先輩を見つけた。

そこは、私たちが最初に出会った、私の家の前の公園だった。

「先輩?」
私は声をかけた。
「あ、美緒。
あの、さっきはごめん。
あの勢いで、本当にごめん。」
加納先輩は頭を下げて謝ってきた。

「先輩、頭上げてください。
あの、先輩、キス、嬉しかったです。」
加納先輩はびっくりした顔をしていた。

「え?」

「私、先輩のこと好きです。」
私はついに伝えることができた。

「え?」
加納先輩は固まっていた。

「あの、付き合って・・・」
と言おうとしたところで、
「待って、俺が言う。俺は美緒が好きだ。
俺と付き合ってください。」
加納先輩から告白された。

「はい。お願いします。」
私は笑顔で言った。

加納先輩が私を抱きしめた。
私も抱きしめ返した。

「美緒、心臓早い。」
笑いながら先輩が言った。
「先輩こそ。」
笑いながら私も言った。

そして、加納先輩とキスをした。
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