人狼様に嫁ぎます〜シンデレラ・ウェディング〜
物語の外の世界
ヴァイオレットとイザベルがイヴァンとの結婚を賭けて勝負を行うことになり、夜会は騒ついたまま収集がつかず、そのままお開きとなってしまった。

「ヴァイオレット、悪いが先に帰ってくれ。フェリシアーノと話してくる」

イヴァンはヴァイオレットを馬車の中に乗せると、何かを言いかけたヴァイオレットを無視して馬車の扉を閉める。ペガサスたちは地面を蹴り、あっという間に馬車の姿は闇夜に消えていった。それを見届けた後、イヴァンは踵を返して王宮の中、夜会が開かれていたホールへと戻る。

招待された貴族たちが全員帰ってしまったホールは、先ほどよりもずっと広く見えた。そんなホールは今、緊張に包まれている。

「フェリシアーノ、勝手なことを提案して……。ヴァイオレット様は魔法が使えないんだぞ!!ヴァイオレット様が不利に決まってるだろうが!!」

オリバーがフェリシアーノを怒鳴り付け、怒鳴り付けられているフェリシアーノは怯えながらサクラの背後に隠れている。イヴァンはその光景を見てため息を吐き、話しかける。

「オリバー、一旦お説教をやめてくれないか?フェリシアーノに話がある」

「そうだろうな。自分の奥さんが他の女と結婚を賭けて戦うことになったんだからな!言いたいことは山ほどあるだろ?」
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