私はあなたと走る

桜咲く心

「中里さん。」
「あ、はい。」
「そこ…」
彼女は私の座ってる席を指さして私のことを不思議そうにみている。
「何かいる?」
「そこ、私の席」
「え?」
まじじゃん!
「ごめん!間違えちゃった!」
「まぁ、お名前書いてあってもおんなじだもんね。」
私は何を言っているんだと思いながら彼女の教科書に書いてある文字を見るとそこには
中里 桜
と書いてあった。
「あなたも中里さん」
「はい。私も中里さん。」
「アハハ!じゃあ前後か!」
「そうよ!これからもよろしくね」
この、W中里で私達は友達になった。
「おっはー」
「おはよ!」「海人ー今日さー」
「LINE交換してよー」
すげーまだ会って1日しか経ってないのに海人もうみんなから慕われてる。
「中島さんって人気者なんだね」
「うん。海人は昔からあんな感じ。」
海人は、顔立ちがよく、身長が180cm超えで女子からはモテ、目立つ一軍男子とすぐに仲良くなる。
「海人ってさ何部入るの?」
「その身長だからバスケ?」
「いや顔立ちがいいんだからダンスだろ」
「いや、見かけ通りサッカー部?」
「ちげーよ。陸上部一択」
「陸上部?!ここの学校の陸上部ザコだぞ!」
「しかも、顧問いないようなもんだろ」
「でも、俺は陸上部がいいの」
まぁ、そうだろな。だって、海人は中学校の頃短距離で10秒台を中2で出し、中3のリレーでは、40秒で必ずメダルを持って帰ってきたのだからそりゃ陸上部だろ。
「お前らはどうするの?」
これ以上言われるのが嫌なのか海人は話を変え逃げた。
「ここの陸上部ってそんなによわいの?」
「噂によると短距離19秒台くらいの先輩と高跳び100cmしか跳べない先輩、幅跳び2m弱しか跳べない先輩くらいしかいなくて、大会では最下位争いをしてるらしい」
「あらまぁ。それはすごいわね。ちなみに中里さんはどうするの?」
「んー私はダイエットのためにも運動部に入ろうとは思ってる。中里さんは?」
「ご迷惑じゃなければなんだけど、下の名前で呼ばない?」
「あー確かに。中里さんってお互いに言ってるの面白いもんね。じゃあ改めて桜ちゃんは何部に入りたいの?」
「私は弓道部に入ろうかなー」
「弓道!すご!桜ちゃんできるの!」
「まぁ、習い事でちょっとやってて」
この子の家はどれほどすごい家なんだろと思ってしまうほど彼女は弓道部は普通というふうないいかただった。
「波ー今日一緒に帰らね?」
男子の中からいきなり海人は私の名前を呼んだ。そうすりゃ、男子は
「海人ナンパ?!」
「やっぱ自身あるやつはちげーな」
と言われ放題。もちろん私も
「え、波って誰?」
「あの子?」
と逆にマイナスな感じで言われてしまう。
でも、そんなの関係なしに私と海人は教室の真ん中に行き、
「今日?いいけどなんで?」
「高校のこと色々話したいし。あと普通に外食がしたい!」
「おけおけ。じゃあいつものお店行こ」
「やった〜!波大好き!」
海人と分かれたあとみんな目が米粒くらいの小ささになっていた。
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