私はあなたと走る
「おまたせー遅くなった。」
「大丈夫!なんかあったの?」
「あー先生が重い荷物持ってたから手伝ってきた」
相変わらず海人は優しいなと思った。
カランコロン
「いらっしゃいー海人君、波ちゃん!」
「こんにちは!皐月さん」
皐月(さつき)さんは、ここ、カントリーのカフェの手伝いをしている。
「いらっしゃい。いつものかい?」
奥からここのカフェのオーナーである雪子さんが出てきた。
「うん。いつも」
「おまたせしましたーメロンソーダとコーラフロートでーす。どうせ、いつものだから作っときました」
「おーさすが皐月さん!いただきまーす」
「ごゆっくりー」
「で、話って何?」
「こんど、大和《やまと》と悠人|(ゆうと)と遊ぶんだけど」
「うん」
「一緒に来てくんない?」
「は?何言ってんの?行くわけないじゃん」
「お願い!人数が足りないんだ!」
「遊ぶ?」
「違う。合コンの女子側の」
「そんなら一軍女子とかなんかでやればいいじゃん」
「そうすると人数が多くなるんだよ」
「やだね。私が引き立て役にしかならないじゃん」
「でも、今は桜ちゃんといるかもだけどもし、桜ちゃんが休んだらお前ボッチだろ」
「ボッチでよろしい」
「まぁ、とにかく、来てよ」
「皐月ちょっと話し入りまーす
もし、よかったら私の友達の美容院教えよっか?そこ、メチャクチャ人気で凄くうまいんだって!」
「いやいいですよ!人気ならもっといいです」
「現代の子は垢抜け垢抜け言ってるじゃんーだから波ちゃんも試しに行ってみれば」
「分かりました。いきます」
「合コンはいつー?」
「日曜日の午後です」
「なら美容院日曜日の午前に予約しとくね」
なんか、めんどくさいなとテンション下がってたら
「土曜日一緒にルミネ行こ」
と皐月さんから耳打ちされた。
これは、行かなければ行けないものなんだろうなと内心気分が海中ほど落ちてしまった。
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