両片想い政略結婚~執着愛を秘めた御曹司は初恋令嬢を手放さない~
「わかってるわよ。本当に過保護なんだから。じゃあ行きましょう、彩菜ちゃん」
 お義母様に手を取られパーティー会場を歩く。吉永自動車の社長夫人とあって、お義母様にはたくさんの知り合いがいた。
 行く先々で声をかけられ挨拶をする。お義母様は私のことを長男の翔真さんの妻として紹介してくれた。
「まぁ、とてもかわいいお嫁さんね」
 そんな誉め言葉に、お義母様は「そうでしょう」と胸を張る。
「彼女のドレスは私が選んだのよ」
「とても素敵だなと思っていたの。どこのドレスなの?」
 女性同士の話題は尽きず、わきあいあいと盛り上がる。私の父と母を知っているという人もいて、いろいろなお話ができた。
 そんな賑やかな会場で、話題の中心にいるのはやっぱり翔真さんだった。
「吉永自動車の御曹司が来てる」
「実際に見ると色気がすごいわね」
 翔真さんに熱い視線を向けながら、頬染める女性を何人も見た。
 こうやって少し離れた場所から見ると翔真さんの魅力がよくわかる。
 凛とした立ち姿に、綺麗な立ち居振る舞い。穏やかな表情と整った顔立ち。内側からにじみ出る自信と余裕のせいか、上品なのに色っぽくてほれぼれするほどかっこいい。
 思わず見とれていると、年配の男性と会話を交わしていた翔真さんが不意にこちらを見た。
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