両片想い政略結婚~執着愛を秘めた御曹司は初恋令嬢を手放さない~
 だけどそれじゃ翔真さんは幸せになれない。翔真さんが大好きだから、我慢なんてせず自由に暮らしてほしい。
 そう自分に言い聞かせ、うるんだ目元を乱暴に拭う。
 翔真さんが帰って来るのは二日後。その間にやるべきことはたくさんある。
 優しい彼はきっと離婚はする必要ないと私を引き留めてくれるだろう。大好きな翔真さんに面と向かって説得されたら、私は離婚を突き通す自信がない。
 だから、翔真さんがいない間にスムーズに離婚できるように準備をしておく必要がある。
 私の両親と翔真さんのお義父様たちに離婚すると説明をして、荷物をまとめて家を出て……。
 自分の実家に帰れば迷惑と心配をかけてしまうだろうから、しばらくはビジネスホテルで暮らそう。
 それから自分で部屋を見つけて、ちゃんと自立したい。誰にも頼らず、ひとりでしっかりと生きていけるようになりたい。
 そのためにやらなきゃいけないことは山積みで、泣いてる暇なんてない。
 私は顔を上げ気持ちを切り替える。荷物をまとめ終えるとリビングへ移動した。
 薬指にはめていた結婚指輪を抜き取り、『今までお世話になりました。どうか、幸せになってください』という手紙と共にテーブルの上に置く。一緒に左手首のブレスレットもはずして置いていくことにした。
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