両片想い政略結婚~執着愛を秘めた御曹司は初恋令嬢を手放さない~
 悠希と話している最中に「そうだ」と思い出して翔真さんを見上げた。
「今日、翔真さんのカードを使わせてもらいました」
 私が報告すると、「そう」と優しく微笑む。私がカードを使ったことをよろこんでいるようだ。
「はい。今日の買い物はほとんど悠希のものだったので、いいかなと思って」
 続けて説明すると、翔真さんの表情が少し曇った。
「彩菜のものじゃなく、悠希のために使ったんだ」
「ええと、だめでしたか?」
 戸惑いながらたずねる私に、翔真さんがかぶりを振る。
「いや。好きに使ってくれてかまわないよ。ただ、これからは彩菜が自分のものを買うときも、俺のカードを使ってほしい」
 翔真さんは私を見つめながら言う。
「わかった?」
「わ、わかりました。なるべく翔真さんのカードを使うようにします」
 翔真さんは小さく微笑み私の頭を軽くなでると、冷蔵庫を振り返る。
 中にあるたくさんのお酒を見上げ、「それにしても、一日で飲める量じゃないな」とため息をついた。
「日本にいる間ここに泊るつもりで買ったのに、彩菜に拒否られたから」
 なるほど。だからお酒とかお菓子とか、手あたり次第買っていたんだ。
「人の家に泊る気でいっぱいお酒を買うなんて、ほんと悠希は勝手だよね」
「残った分は、兄貴が飲めばいいだろ」
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