両片想い政略結婚~執着愛を秘めた御曹司は初恋令嬢を手放さない~
「でも、翔真さんは飲まないから……」
 そう言った私に、悠希が不思議そうな顔をする。
「兄貴、最近飲んでないんだ。普通に酒好きじゃなかった?」
 たしかに、翔真さんは仕事関係のパーティーや食事会ではお酒を飲んで帰って来ることがある。
 だけど家ではまったく飲まないから、好きではないんだと思っていた。
「翔真さん、お酒お好きだったんですね。これからはお酒の用意もしますか?」
「いや。家で飲むつもりはないからいいよ」
 お酒が好きなのに、家では飲むつもりはないなんて。どうしてだろうと不思議に思う。
 私が飲まないから、合わせてくれているのかな。
「私に気を使わなくてもいいんですよ?」
「気を使っているわけじゃないよ。ただ自宅で酒に酔って、万が一理性が効かなくなるような状況になると困るから」
 自宅で理性を保つ必要なんてあるんだろうか。私に気を使わず自然体でリラックスしてくれればいいのに。
「そうだ。余った日本酒は明日うちの実家に持って行こうか」
 翔真さんに提案され、「あ。それがいいですね」とうなずく。
 みんなお酒が好きだから、きっとよろこぶだろう。
「なに。明日実家行くの?」
「あぁ。彩菜のご両親も呼んで食事会をするんだ」
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