鏡と前世と夜桜の恋

雪美は嬉しそうに咲夜の胸へ頬を寄せた。

しばらくして、二人は部屋へ入った。団子の包みを開ければ、雪美は嬉しそうに一つ差し出す。

「はい、これはさくの分!」

「俺?」

「そうよ、さくと一緒に食べるの!」

咲夜は団子を受け取りながら、雪美をじっと見る。

「… なに?」

「いや」


咲夜は笑った。

「こういう時間がずっと続けばいいと思って」

その言葉に、雪美の胸がきゅっと締めつけられる。

幸せだった。

あまりにも幸せで… この時間がいつか終わることなど考えたくなかった。けれど咲夜の胸の奥には別の感情も芽生えていた。

" 雪美が自分だけを見ていてほしい "

" 誰にも触れられず自分だけのものになってほしい " そんな独占欲が、少しずつ大きくなっている。

「… ゆき」

「ん?」

「俺のことだけ見てろよ」

突然の言葉に、雪美が目を丸くする。

「どうしたの?」

「だから… ゆきはズルい。いつもそうやって俺の心を掻き乱す… 」

「えっ… // 」


" ずっとここにいろ "

咲夜は雪美の返事を聞く前に押し倒し、愛おしそうに何度も何度も唇を重ねる。

「ず、ずっと、い…っ… 」

その答えに、咲夜は嬉しさを感じながら目を伏せる。

「… そんなこと言われたら本当に帰したくなくなるだろ」

雪美は恥ずかしそうに笑った。
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