鏡と前世と夜桜の恋
「ゆきのせい!」
そう言って、また抱き締める。
二人は互いの温もりを確かめるように何度も抱き合い、言葉よりも強く伝わる想いがあった。
好きだということ。
離れたくない、この瞬間だけは誰にも邪魔されたくないということ。
甘い吐息が交わる中、咲夜の独占欲は歯止めが効かなくなっていた。
「そうだ、アイツにどうやって抱かれたんだよ?どっちが気持ち良い?」
「そ、それ聞く!?// 」
「当たり前だ!ゆきは俺のなんだよ、昔から!」
「もう… // 」
夜が深くなるにつれ、二人の甘い吐息も次第に大きくなっていく… 最後まで咲夜の腕は雪美を離さなかった。
「ゆき… 」
「んっ // 」
「… 良い?」
「だ、駄目… なか、は… 」
「聞こえない」
咲夜は聞こえないフリをして、溢れ出す愛と全ての欲を雪美の中に吐き出した。
「ち、ちよっと、待っ… // 」
身体が熱い…
慌てるも幸せそうにお腹をさする雪美の姿を愛おしそうに見つめる咲夜。
「… ゆき、明日も会いに来て」
「うん」
「明後日も」
「うん」
「… ずっとだそ、ずっと」
「絶対来る!」
雪美は咲夜の胸元で微笑んだ。
「ずっと、さくのところに来るから!」
その答えを聞いた咲夜は、安心したように雪美の髪へ顔を埋め抱きしめる腕は少し強すぎるほどだった。
まるで何かに怯えるように。
" この幸せを誰にも奪われたくない "
" 二度と俺から離れないで "
「さく…?」
「ゆき、愛してる」
咲夜は自分の独占欲を隠すことさえもうできなくなっていた。
「私も愛してるもん… 」
灯りの下で、雪美の着崩した着物がわずかにずれ、白い肌に残されたいくつもの痣が咲夜の目に入った。
腕にも、肩にも、細い背にも… どれもまだ傷は癒えておらず消えてなかった。
この傷は申又に殴られた跡…
改めてそれを見た途端、咲夜の胸の奥で何かがぷつりと切れた。