鏡と夜桜と前世の恋
ーー そして時は過ぎ
雪美と彼岸花を見たあの日から何日目かのある朝… 咲夜はゆっくりと目を開ける。
眠…
太陽の上がる位置を確認した咲夜は " もうこんな時間か " と、怠そうに欠伸をする。
そろそろ起きよう、そう思いゆっくり体を起こすと外から " さくー " と、雪美の声。
雪美が来た。
今日も元気だな… 雪美の叫ぶ声を聞き、愛おしそうに微笑む咲夜は雪美を出迎える。
「さくー、来ちゃった!」
今日もゆきは可愛い… 可愛さあまってついつい甘やかしてしまうのはいつものこと。
「団子食べに行く?開いてるかな…」
「行く!!ねえ咲夜、さっき蓮稀お兄ちゃんとすれ違ったんだけど… 」
雪美の話しによると " 鈴香 " の名前を呼びながら血相を変えて牢屋敷方面に走って行ったそうで。
「蓮稀お兄ちゃん大丈夫かな… 」
雪美は、蓮稀がおすずに何をされているか詳しくは知らない… もちろん、俺に対しておすずの行動も。
ーー なんだか嫌な予感がする。
「ちょっと蓮稀の様子見て来るよ」
「わ、私も行く…!! 」