甘やかで優しい毒〜独占欲強めな彼に沼る
「いいですけど、後悔しますよ」
「…言ったな…後悔なんてするかよ。お前こそ、後悔するなよ」
そう言うなり、有言実行の男は、家までの待てができないようで、近場のラブホテルへ足を向けた。
金曜ということもあり、料金が高い部屋しか空いていないが、迷うことなく、チェックインしてしまう。
最上階までの狭いエレベーター内で、防犯カメラを気にすることなく、高山チーフは、私にキスしてくる。
チュッ、チュッと唇や頬に恋人達のような甘いキスを仕掛けてきて、時折、愛おしむように頬を撫でてくる手のひら。その手のひらにキスを返すと、ごくりと生唾を飲み込み、欲情を隠しもしない駄犬は、更に指先で、私の唇を愛撫してくるのだ。
エレベーターが止まり、ドアが開くと、すぐそこに部屋のドアがあり数歩で辿り着ける。
部屋に入るなり、ロックをかけた手が服を弄る。
「シャワー浴びさせてくれないんですか?」
「はぁ⁈…わかった。一緒に浴びよ」
「えっ?無理、ひとりがいいんですけど」
「ダメだ。こんな場所にいるのにシャワーなんかで1分でも長く離れるなんて我慢できるかよ」
あーなるほど。
と、なんとなく察した。