甘やかで優しい毒〜独占欲強めな彼に沼る
「お待たせ」
ソファの前にあるテーブルの上に並べられた焼きおにぎりと、春キャベツとにんじんの豚汁。
「凝ったもの作れなくて、悪いな」
「いえ、十分ですね」
まずは、豚汁を頂くと、豚肉の甘さとキャベツの甘みが出ていて、空腹のお腹に優しく沁みていく。
「美味しい」
「そりゃ、よかった」
そういいながら、高山チーフは、焼きおにぎりを掴んで食べるのだ。
「おっ、意外と美味いな。食べてみろよ」
勧められるまま食べてみると、卵かけご飯を焼きおにぎりにしたようだ。
「高山チーフ、このおにぎり初めて作ったんですか?」
「あぁ…朝食抜きで一気に重いものも、胃に負担だろ。さっき、冷蔵庫にある物で何か作れないかと検索かけたら、卵かけご飯のおにぎりって出てきたんだ。後、味噌汁あればいいかと思って作った」
「そうなんですね。美味しいです。私も、これから家で真似して作りたくなるおにぎりです。もちろん、お味噌汁も美味しいですよ」
「そうか、まぁ、こんなんでいいなら、いつでも作ってやるよ」
思わず固まってしまったが、ただのリップサービスだ。
「また、お願いします」
「おう…」
作ってくれたおにぎりと、豚汁を頂いてお腹いっぱいになる。
「コーヒーでも飲むか?」